7.「楽しさ」が支援継続の原動力になる(2013年 JEN)

JEN

2013年5月14日 JEN 西村真由美 Part7

東日本大震災の復興支援のため、JENの職員として石巻に常駐していた西村さん。JENが運営するコミュニティカフェでは、外部から来るボランティアも受け入れていました。ある大学のボランティアサークルは、2年以上継続して東京から石巻へと毎週通ってきていました。そこまで継続できたのは使命感ではなくて、活動そのものに「楽しさ」があったからでした。

ボランティアは根気よく続けることが大事です

大学サークルによる支援活動

最後に大学生による活動を紹介したいと思います。石巻専修大学にも「ゆいまーる」さんというサークルがあって、協力してた時期もありました。ここで紹介するのは、東京外国語大学の東北復興支援隊というサークルの皆さんです。2011年の4月から2年以上、一緒に活動していただいています。

活動の場は主に、先ほどもご紹介した、コミュニティカフェの「なかやしきっさ」というこの建物です。最初はなかなか子供も集まってこなかったりしたのですが、本当に根気よく東京から毎週末通ってくれました。そのうち徐々に子供達も集まってくるようになりました。

2011年は夏休み、冬休み、春休みは毎日常駐してくれました。もちろん学生のメンバーは交代で入れ替わりながらです。留学生もいたりとかしました。外大の学生が少ない時期は、「め組JAPAN」の方に応援にきていただいたこともありました。

やはり、お子さん自身ももちろん喜ぶのですが、お母さんたちも喜んでくれます。というのも、あるお母さんから、震災後は、どうしても一番下の子にかかりきりになってしまって、上の子たちをなかなか見てあげられてなかったというのです。でもこうやって休みの日にお兄ちゃん、お姉ちゃん達が遊んでくれると、すごく助かりますと言葉をかけて頂きました。

この活動の場になっていた「なかやしきっさ」ですが、先月(2013年4月)で取り壊しになることが決まりまして、これは最初から決まっていたことですが、お別れ会をした時の様子です。活動の拠点はなくなってしまったのですが、今度からは近くの釜小学校ですとか、青葉中学校とか、上釜会館とかを場所にして、月に1回、外大という特色を生かして留学生を連れてきて交流会をすることを計画しています。

2013年度も毎月一回活動にやってきてくれています。彼らは自分たちでニュースレター作っています。自分たちで助成金を申請して獲得したり、寄付金を募ったりして、活動資金としています。

楽しいからこそ続けられるのです

西村真由美

このような活動してる大学生の話をすると、皆さん「えらいねぇ」とか「すごいねー」とか、何かいいことをするために自己犠牲を払ってるような印象を持たれるようです。しかし、彼らはそういう気持ちで通ってるわけじゃないんです。

池谷集落に移住した女の子もそうなんですけど、その池谷の魅力にとことんハマって、池谷のことが好きで好きでしょうがなくって、通ってるうちに楽しくてしょうがなくって、最終的に移住までしたわけなんです。それと同じように通ってきてくれてる外大生も石巻で出会った人たちの笑顔がもう一度見たいとか、子供達と遊ぶのが本当に楽しいとか、そういう思いで通って来てくれています。

正義感とか、使命感とか、そういうのもあると思いますが、それだけで長続きはしないと思います。私もそうなんですけど、楽しいからこそ続けていられるというのが大きいなと思っています。

こういう業界なので、資金を獲得するのかも苦労があって、緊急期の頃は今あるお金がなくなったらどうしようみたいな不安があったんです。それで大変だったと時期もあったんですけど、正しいことやり続けて、それをキチンとお金をもらってる先に報告をする。すると正しいことがちゃんと伝わって、来年も支援しましょうっていう話になる。

それが自信となって、必要なことであればお金はついてくると思ってます。いま、特にそういう時代になっていると思います。みなさんも現場にいらっしゃるので、現場でできることって多くあると思います。なので、必要なことをどんどん見つけ、てどんどん発信していって、それをどんどん実行できる、そうなったらいいなと思います。

動画 Part7(JEN 西村真由美)

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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