2.石巻に定住する災害ボランティアたち

On the Road

2013年5月7日 On the Road 魚谷浩 Part2

東日本大震災で、On the Roadの災害ボランティアとして活躍した魚谷さん。実は、この団体の活動に参加したボランティアには、石巻に定住する人が多いそうです。魚谷さん自身も石巻に住民票を移していますが、なぜそんなに移住者が多いのでしょうか。

※動画はありません。書き起こし文章のみです。

なぜか「Iターン」移住者が多いんです

実はこのオンザロードという団体、すごくおもしろいんです。先ほど延べ人数で3万人弱のボランティア、延べなので実数では、おそらく数千人になってくると思うんですが、その何人かのうち、いま30人が石巻の住民か、Iターン者として石巻で生活しています。これちょっと、この団体の特徴的なところなんですが。僕の把握する中では、今回災害で関わった団体の中で、比較的居住者が多い団体だと思っています。

その理由は何かというと、オンザロードの説明させていただいたときにもあったんですが、僕たち災害ボランティアに関しては、本当に初心者だったんです。だからオンザロードというのは、被災者の方と接するときに、ライン(注、境界)がなかった。

たとえば、僕たちを一緒に石巻で活動していた別の団体なんかは、ある程度災害ボランティアに関しての知識があったので、関わり方にラインを引いて、それ以上踏み込まないようにっていうルールがあったと聞いたことがありました。

僕たち本当に初心者だけの団体だったので、そういうことも知らずに、ズカズカおじゃましまーすって、入っていったんです。気づけば、その町の人たちと物々交換をさせていただけるような仲になっていて、少しおしょうゆが足りないと、おしょうゆを貸してくださいとかって、本当に言えたりする仲なんです。そういう腹を割ったつきあいかたができたのがきっかけで、いま30人ほどの移住者がいるのではないかと思っています。

仲間たちが石巻で次々と「起業」しています

その移住者の中で、僕は期間限定でおでんをやっていたのですが、先ほどオンザロードの活動をきっかけに、被災した大漁旗と出会った僕の友達は、つい先日、5月3日に、この大漁旗をリメイクして、服飾なんかに変えるお店をオープンしました。

これも中央にあるんですが、すごくおしゃれで個性的で、しかもブランド価値のある商品になっているんです。お店のかたちもすごく変わったお店なので、ぜひ皆さんに足を運んでいただいて、買わなくても、そこの商品を見て、伝えていください。本当に純石巻産のブランドだと思っています。

あと、もう一人友達は、銀座で腕を磨いていた経験があったので、もともと持っていた腕を活かして、これも中央2丁目で、つい先日、4月26日に、自分のお店をオープンしました。「四季菜食 いまむら」というお店です。

そちらも本当に、料理は一級品です。僕も料理をやっていたので、すごく感じる部分があるのですが、石巻は本当に食材の宝庫です。料理をやっていて、楽しくてしょうがないので、これからもいろんな料理を提供していきたいから、彼は石巻に住むことを決意しました。

それ以外にも本当に30人近くの団体を経た仲間がいるということは、非常に心強くて、活動をやるにしても、その仲間の手助けがあります。もちろん移住者だけのコミュニティではなくて、そこには石巻の方も関わっていて、それぞれの仲間をつないでいるような状況です。

なので、ちょっと変な、石巻人っぽくない人が住んでいるなと思ったら、元オンザロードだと思ってください。なんかそういった傾向もありますね。

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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