3.やりたいことは会社の外にあった

石巻復興支援ネットワーク

2013年7月3日 石巻復興支援ネットワーク 渡部慶太 Part3

石巻復興支援ネットワークの事務局長として活躍していた渡部さん。海外の仕事ができるという理由で商社に就職したものの、満たされぬ思いを抱いていました。そこでソーシャルセクターのイベントなどに関わるようになりました。やりたいことは会社の外にあったことに気付いた渡部さんは、会社を辞めて「かものはしプロジェクト」のボランティアに参加します。

カネ儲け一辺倒の会社にガマンができなかった

ガマンの社会人時代

続いて、我慢の社会人時代になります。卒業して社会人3年半、民間企業で国内外の営業をします。基本的なビジネスとかマナーを学んだりします。メールの書き方とか、名刺の交換の仕方とか。これが意外と今のNPOでの生活にとっては非常に良かったなと思いますが、ビジネスの上での常識を身に付けました。

ただ、しんどかったのです。中途半端な理由で就職活動をします。海外へ行きたかったとか、日本の良さを海外に伝えたかったとか、そういう理由で海外の仕事ができる商社に入ったのですが、なかなかそんな漠然とした理由では、実際やってみるとしんどかったのです。営業だったので、もちろん物を売ります。商社というのはお金もうけが好きな会社で、お金もうけにすごく執着するのです。

金持っていてなんぼというところがあって。僕は純粋に「お金をもうけてその先に何があるの?」というのを考え始めたら、答えが出なかったのです。モノを売ることで、逆に相手をだますと言ったらあれですけれど、相手を苦しめたりもするので、何かしんどかった。何のためにやっているのか分からなかったのです。

そういう中で、仕事以外に関心があることに取り組みます。台湾に大学時代に行っていたのもあって、日本人と台湾人の国際交流イベントを企画したり、資格を取得したりします。英語とか中国語。中国語も、そもそも台湾に行って関心を持ったというのがあります。

あとは「ソーシャルな領域」と書いてありますけれども、貧困問題に取り組むNPO・NGOは結構たくさんあります。途上国の物を正当な値段で買うフェアトレードのイベントとか、アフリカ人との国際交流とか、いろいろあったのです。そういう活動をしていて非常に楽しかったのです。

NPO業界で活躍している人は魅力的な人が多いです。復興ボランティア学でもほかにいろんな方々が登壇されていますけれども、やっぱり魅力的ですよね。僕もそういう活動をしてみたいなと思い始めて、このNPO業界、ソーシャルなセクターで頑張るか、もしくは民間企業に残って働くかということで、てんびんに掛けてみたら、人生一度きりなので社会的なことをやってみたいということで、会社を辞めます。

ビジネスを通じて貧困を解決したい

かものはしプロジェクト

そして、かものはしプロジェクトという日本のNPOで、カンボジアに行きます。ちなみに、このソーシャルビジネスというのは、ビジネスを通じて、事業を通じて課題を解決するということです。寄付とかを募って課題解決するのもいいですが、より持続的に活動を続けるためには、ビジネスを通して解決するというのが非常に私にとっては魅力的だったのです。

ということで、かものはしプロジェクトに行きます。どんな団体かというと、児童買春問題の解決を目指すNPOです。児童買春というのは、子供の売買、人身売買です。途上国を中心に多いのですが、やはり家庭で貧困、生活できないということで子供を売ってしまうという問題がかなり多いです。

かものはしプロジェクトというのは、それをなくそうとする団体です。日本国内の若手NPOの中でもかなり有名で、勉強してみたいと思いました。「社会人インターンでかものはしに参画。カンボジア事務所の右腕として事業推進に努める」と書いてありますが。無給で半年、ボランティアというか活動をさせていただきました。

かものはしプロジェクトというのは、これはカンボジアでの事業ですが、コミュニティーファクトリーという工房を運営しています。ここで、畳のイグサを使ったランチョンマットとか、ワインケースとか、コースターとか、サンダルとか、こういう民芸品というかハンディークラフト、手工芸品を作っています。

そこで子供が売られやすい貧困世帯の方々を雇用する。かつ、単に雇用するだけではなくて、生きる力を身に付ける。そういう工房を運営していました。これが工房の外観です。ちょっと見づらいですけれども、木で造られた工房で、こういうふうにミシンで物を作ったり、イグサを織ったりしています。

カンボジアの人たちのすごいところ紹介します

アメイジングカンボジア

これはカンボジアの写真ですが、非常に自然が豊かな所です。めちゃくちゃ気持ちいいです。カンボジアに少しでも関心を持ってもらえればと、写真を並べました。下水道が通っていないので、雨が降るとあっという間に道が通れなくなります。

これはクモです。手のひらサイズのクモを揚げているわけです。それを地元の人たちはおいしそうに食べます。私も食べてみようと思ったら、普通の顔以上に不細工になるのですが、そうなりますよね。実際食べてみると、このおなかの部分は非常にジューシーでした。

あと、ブタさんをドナドナのようにバイクに積んで運んだり。これはサソリです。事務所でサソリがなぜか出てくる。カンボジアはすごいです。あとすごいのはこれです。台車がありますけれども、何倍もの紙を運ぶ。これが人です。3人分の高さです。というものを運ぶ。カンボジアはなんてすごいのだろうと思います。

あと、すごいのはネズミ狩りツアーです。船で川をさかのぼっていくのですが、船でみんな行って、小さい船に乗り換えてネズミを捕ります。

なぜネズミを捕るかというと、もちろん食用として捕るのです。地元の人たちがすごいのは、分かりますか、Y字のパチンコ。昔、遊んだかもしれません。Y字のパチンコで、石をここにやって、それでネズミを捕るのです。ネズミは速いので、カンボジア人はすごいです。たくさん捕れます。捕ったネズミをむきます。むいて、揚げて、ネズミライスです。すごいですよね。非常に文化的な違いに驚きます。

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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