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2013年7月23日 移動支援Rera 村島弘子 Part4
一人のボランティアとしてReraに参加したのに、いつのまにかReraの代表になっていた村島さん。東日本大震災から2年間、毎日、休むことなく社会的弱者に密着して送迎をしてきました。活動では常に現場の切実な声に寄り添って、できる限りの支援をしています。ここでは、利用者の声を紹介していますが、Reraが生活の足として、もはや欠かせない存在となっていることがわかります。
切実な現場の声に寄り添うために
これはどんな人がReraを利用しているのかっていうことを知るために、実態調査票をお配りして、みなさんに記入してもらうアンケート調査を、2回ほど実施しています。私たちの活動は、とにかく朝から晩まで、いわゆる社会的弱者とか災害時の要援護者って言われるような、そういう方たちに、とにかく密着して過ごしています。毎日、毎日そういう人たちの声を聞きながら活動をしています。
ほんとに、いろいろな人がいて、状況が良くなる人もいれば、全然変わらない人もいれば、かえって悪くなった人もいるとか、そういうふうになっています。ちょっと持ってきたので、その調査票の言葉から、いくつか典型的なものを読んでみます。
利用者さんの声を集めて
「今まで慣れた所からまったく違う環境で、年配者が生活するためには、時間もかかります。今までできていたこともできなくなり、病院への通院も増えたからといって、仕事をしていると容易には休めません。Reraボランティアのことを知った時は、とてもありがたいと思いましたが、存続が難しくなれば、今後どうしていいのか困ります。」とか、「病院まで往復で5千円から6千円かかるので、本当にありがたいです。」っていう、仮設住宅の方ですね。
あと、「以前は娘に送迎してもらっていましたが、娘の家も全壊で、修繕してなんとか暮らしている状態です。この地区は住民バスが少なく乗り換えも大変で、人工透析には間に合いません。Reraさんの移動支援は本当に助かっています。」
「震災にあってから10カ月、家が住めなくなって、避難生活をしました。家に帰ってきてから体調が悪く、今までにない病気が出ました。私は一人暮らしです。災害移動支援ボランティアの方々には、心から感謝しております。」
「Reraの存在を知り、以前は高齢者2人世帯、自宅避難、年金生活ということで、通院を続けなければならない状態で、介護バスタクシーでの移動は、経済的に困難ですし、3階からの移動もあり、先々の生活に不安を感じておりました。私たちは一部損壊ということで医療費の負担もなく、一昨年がんの手術は2回、今後も検査通院が必要です。どうかReraの送迎継続にご支援ご理解をいただきますよう、お願いします。行政の努力を願います。」
こういう、いろんな方たちが、いろんなことを書いてくださっています。そういう、もうとにかく切実な現場の声に、ずっと寄り添ってきているっていうのが、私たちの活動です。
「気になる」利用者の増加
最近気になっているのが、Reraを利用している方たちの精神疾患の方の増加です。精神的にかなり落ち込んでいたり、今まではなんでもなく元気だった人が、今ちょっとつらいんだっていうふうに、おっしゃっていたりするのが、ちょっと気になるところです。
あとは、引きこもりの方たちとか、そういういろんな話が、聞こえてきます。Reraを利用していなくても、そういう若くて引きこもりでお家に入って、全然もう出てこない人がいるとか、そういう話とかを聞いて、まさに本当に、復興格差っていうものを、すごく感じます。私たちはいつの間にか、一番下の人たち、一番下でなかなか上に上がれなくてもがくような人たちの近くにずっといるというふうになっています。
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