5.これなら前の街と変わるんじゃないの(2013年 ISHINOMAKI2.0)

ISHINOMAKI2.0

2013年5月28日 ISHINOMAKI2.0 松村豪太 Part5

東日本大震災で被災した石巻を面白い街に変えるため、ISHINOMAKI2.0の活動を始めた松村さん。震災後、津波で壊れた街の画像を発信していたら、いろいろな人からボランティアをしたいという相談がやってきました。そこから面白い人たちとつながって、夜な夜な石巻を面白くする飲み会が始まりました。松村さんを中心に、新しいまちづくりの機運が盛り上がってきたのです。

プチ・ボラセンをしてたら面白い人たちがよってきた

2.0を一緒に立ち上げたメンバー
2.0を一緒に立ち上げたメンバー

これは、僕が避難していた所です。避難者の住環境を良くしようとして、建築デザイナーたちが、パーティションで区切ればプラベートスペースが広がって、避難している方たちが快適になるだろうということで応援に来ていました。実はこのメンバーが、2.0を一緒に立ち上げたメンバーなんですけれども、普通にこういうがれき処理とかもやっていました。

僕はボランティアなんて大層なものじゃなくて、自分が生きるために必死で、泥かきとか、人を探したりとかしていたのです。少しだけ違うとすれば、3月11日の2時46分からずっとデジタルカメラ、大したカメラじゃないです、500万画素もないようなカメラで撮影し続けました。

それを、インターネットインフラが回復次第、時系列に沿ってアップしていったんです。それを見た多くの方が、「自分の生まれた町はどうなっていますか」とか、「何か手伝えることはありますか」とか、そういう反応をいただきました。とても励まされました。そこでプチボランティアセンター的な活動をしていまして、その中で面白い人たちと特に仲良くなったのです。

これから石巻は面白くなるね

限られた材料で鍋をして、泥から掘り出したお酒を酌み交わして
限られた材料で鍋をして、泥から掘り出したお酒を酌み交わして

これなんかも被災した、本当に物理的に建物の半分がなくなってしまった、400年の歴史を持つ旅館の上に夜な夜な集まって、限られた材料で鍋をして、泥から掘り出したお酒を酌み交わしてということをやっていました。ここでの会話は「大変だね」とか「どうしよう」ということではなくて、「これから石巻は面白くなるね」ということを話していました。

ここで写っている左端の方は創業100年の料亭の店主だったり、左から2番目の方がその400年の歴史を持つ旅館の店主だったりするのです。実は2011年の3月、4月から、町の方も含めて、「大変だね」という気持ちだけでなく、「何か前と変わるんじゃないの?」ということを思っている人はいたのです。

この金髪の人は、八戸出身の「ワイデン+ケネディー」という世界的な広告クリエーティブ集団の人です。この人もNIKEのいろいろなプロモーションを手掛けたり、NIGOさんと友達だったり、たくさんのアーティストの友達がいるすごくかっこいい人なんです。

八戸出身で、一人で勝手に太平洋沿岸をボランティア活動していたのです。そこでたまたま僕らとこの鍋をしている場で出会って、意気投合しました。われわれの中に、いろいろなクリエーティブな人を紹介してくれて、今一緒にやっていたりします。

楽しみながら毎日石巻の未来を考えていました

地元の大学の学生と街の将来を話し合う
地元の大学の学生と街の将来を話し合う

これは明かりがちょっと黄色いですけれど、まだ電気が回復していない時期です、この川沿いのエリアは。発電機で発電して、工業用の工事現場で使っているような黄色い明かりで照らしながら、こうやってみんなで寝泊まりしていました。

こういう大学生と、町がどういうふうに壊れたのか、残っている建物はどうか、どういう面白い人がいるのかというのを、自分の足でヒアリングして歩いた成果がこの『まちあるきマップ』というやつです。これも2011年の7月、震災の年の夏に第1版ができています。

これも2011年の7月です。李先生ですね、皆さんも教わっている方がいるかもしれませんが。これも全然オフィシャルに大学の事務局を通さないで、何か地元の大学と仲良くなりたいと思いまして、たまたま町の中のワークショップで出会った李先生に、「何か町を面白くしたいんですけど、学生と話せる場はありませんか」と声をかけました。そうしたら「一緒にゼミしましょう」と言ってくださいました。正規のゼミの後の時間に希望者に残ってもらいまして、自主ゼミというかたちでいろいろアイデア交換なんかを、計7~8回はしていました。

基本的にこんな雰囲気で、もちろん毎日泥まみれになっているんですけれども、とてもいい笑顔をしていますよね。楽しみながら毎日石巻の未来を考えていました。

動画Part5(ISHINOMAKI2.0 松村豪太)

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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