もくじ
2013年7月3日 石巻復興支援ネットワーク 渡部慶太 Part6
東南アジアでのボランティアを経験し、東日本大震災をきっかけに日本へ帰ってきた渡部さん。石巻復興支援ネットワークの事務局長として、復興支援事業に携わります。団体では仮設住宅のコミュニティ支援の他、石巻に恋しちゃった、アイズフォーフューチャーなど、これからの地域の復興の担い手を育成する事業を推進しています。
石巻に眠る「達人」たちを発掘しています

続いて、「石巻に恋しちゃった」という事業ですが、これも復興の担い手育成です。皆さんにガイドブックをお配りしていますが、石巻に趣味とか特技とか面白いことをできる方が結構いらっしゃるのです。そういう方々に活躍していただくイベントプログラムです。
これは第1回目の様子ですが、ベーグル作りで起業したいお母さんがいたり、ヨガでさらに自分のやっている事業を広げたい方とか。もしくは石巻焼きそばです。なかなか若い人たちに石巻焼きそばが浸透していないという問題があって。石巻焼きそば作りを通じて子供たちに伝えたい。そういうプログラムを集めてやりました。
これは私たちが目指しているものですが、単なるイベントではないのです。そのプログラムをやる人たちを私たちは「達人」と呼んでいるのですが、何かやりたい人って結構いらっしゃるのです。
例えば、「私は手芸ができたよ」とか、「ラーメンについてはめちゃくちゃ詳しいわよ」とか、そういういろいろ何かできる人、興味関心を持っていらっしゃる方が結構いらっしゃって。そういう方にプログラムをやっていただきます。そして「達人」という何かできる人たち、何かやりたい人たちを増やしていく。そうすると、そういう人たちの集まりができてくるのです。
あとは競争原理が働くので、例えば同じ町歩き、同じ料理教室でも、「あの人がこれをやるのなら、私はもっとこれをやろう」というかたちで、どんどん提供するサービスが上がってきます。というかたちで、今度はコミュニティービジネスとか、ソーシャルビジネスとか、課題解決につながるサービスが生まれてくるのです。
例えば、もしかしたらママカフェが生まれてきたりするかもしれませんし、「観光客を増やしたいけど、石巻にいいお土産がないよね」といって、お土産品を作ろうというかたちで新しいお土産屋ができたり。そういうかたちで新しいサービス、何かしたい人たちを増やしていきたいと思っています。
女性が輝くことで町が輝く

続いて、女性の育成関係。ママの応援というところでは、やっぺす人材育成スクール。震災後、雇用のミスマッチが起きましたけれど。お母さん方、石巻の場合ですと高校を卒業してすぐに結婚という方が多かったりするので、パソコンを使えない方が多いのです。
パソコンを使えないと就労・就職にも影響してくるので、そういうパソコン、主に事務的なことを学ぶスクールを運営しました。前段は座学で学んで、そのあと復興支援団体のほうで実地研修をするというものをやりました。だいたい50名の女性の方々が人材育成スクールを卒業しました。一部男性も入っていました。
あとは、アイズフォーフューチャーという講座をやっています。これは輝く女性を増やそう、心も内面も外見もきれいになる女性を増やそうということで、日本ロレアルさんという化粧品メーカーさんからご支援をいただいて、ミスユニバースの栄養管理をしているエリカ・アンギャルさんとかそういう方々を招いて、磨くスクールをやっています。
要は、女性が輝くことで町が輝くと。確かにそれはその通りですね。お母さんが元気だと子供は元気になるし、だんなさんも元気になるし、ということで女性が輝くことが大切かなと。
それ以外に、小さいお子さんをお持ちのお母さん方はなかなか働くことができないので、そういうお母さん方向けに手仕事を作ろうという活動もしています。私たちですと、今アクセサリー、ブレスレットやネックレスを作ったりしています。
仮設住宅のコミュニティー形成支援ということで、仮設住宅で孤独死・孤立死が発生しやすいという話は、ほかのボランティア学の方がおっしゃっていたかと思います。私たちも、近くの開成・南境地区という所で集会場でのイベント、ミニカルチャーセンターのようなことをしています。
それ以外に集会場で活動する中で見えてきたのですが、子供たちの遊び場がないとか、なかなか男性の方が集まれないとか。仮設住宅の中のコミュニティーはできてきているのですが、外の方との関係が悪くなってきたり。そういう課題が見えてきます。そういう中で、私たちは集会場のイベントから派生して、広場作り、プレーパーク、男性の方が参加しやすい市民農園を始めました。今2カ所でやっています。
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