もくじ
2013年7月3日 石巻復興支援ネットワーク 渡部慶太 Part5
東南アジアでのボランティアを経験し、東日本大震災をきっかけに日本へ帰ってきた渡部さん。「つなプロ」に参加し宮城県に来ました。支援活動の間ずっと早く帰りたい思いで一杯だったにもかかわらず、つなプロの関係者と地元住民によって設立された「石巻復興支援ネットワーク」の事務局長になります。それからは、団体の事業を推進する立場となりました。
震災後「つなプロ」で宮城県に入りました
続いて第2部に移りたいと思います。「石巻をさらに10%住みやすい町にするために~子育て世代の目線からの復興まちづくり~」ということで。カンボジアから帰国して、私はつなプロという団体で宮城県入りします。つなプロいうのは、避難所を巡回しながらアセスメントして、そこにいらっしゃるマイノリティー、比較的弱い方のサポートをする団体です。
避難所だとどうしてもマジョリティーの方、普通の方の声がベーシックニーズ、「食べ物が欲しい」とか「飲み物が欲しい」とか「下着が欲しい」とか、そういったニーズがどうしても最初は注目されがちです。例えば、聴覚障害を持った方とか、妊婦さんとか、そういう小さいニーズがどうしても見落としがちになってしまう。そういったニーズを拾って、専門的なNPOにつなぐという活動をやっていました。
つなプロが良かったのは、早い段階で先のことを見据えて地元の方々に移管しようと、その機能を担っていただくことを目指していました。これはほかのどの支援団体さんよりも意識されていて、非常に成果を残したことだと思います。そういう中で、石巻復興支援ネットワークという団体ができます。震災から2カ月たったときにはもう既に設立をしています。
「常に早く帰りたいとだだをこねていた」と書いてあります。ここにいるのは非常勤職員の門馬くんですが、門馬くんが言っていたことではなくて、私が言っていたことです。僕は心が弱いというのもあったのか、早く帰りたくてしょうがなかったのです。
しんどいのです。自分は何のためにいるのか。自分が何かできているという感覚が全くなかったのです。そういう中で居場所がないというか、もう早く帰りたくてしょうがなかったです。ただ、多分心の片隅、頭の奥のどこかで、「もう少し残ってやってみたい」というのがあったのだと思います。
石巻復興支援ネットワークは何をやっているのか
石巻復興支援ネットワークが11年5月にできて、今何をやっているかというと、概要を説明します、代表が、兼子佳恵さんという地元のお母さんです。有給職員、スタッフが今11名。ビジョン・ミッションというのは結構適当ですが、要は「一人一人が復興の担い手になって、みんなハッピーに生活できたらいいよね」という意味です。
難しいのですが。今までどうしても、震災前の町も非常に課題が多かったと思うのですが、一部の方がやるのではなくて、全員で、みんなでやる。そして比較的立場が弱い、声が届きづらい方の意見もまちづくりに生かす、という町がいいと思ってやっています。
その中で、私たちは主体的に活動する市民・住民の方の育成とサポートを行うということです。収入に関しては、昨年度が6,500万で、今年度は1億1,000万ぐらいです。比較的規模は大きい団体だと思います。周囲から「やっぺすさん」と呼ばれています。
やっている事業は5つぐらいに分けられます。1つ目が、復興の担い手・育成事業です。社会的な起業家を育成したり。後でまた説明しますけれど、小さいチャレンジを応援する事業だったり。あとは、これが多分一番大切なのですが、子育て中のお母さん方の応援をする事業をやっています。
3つ目が、それ以外の子供や若者の育成支援事業で、プレーパークとか子供新聞のお手伝いとかをさせていただいています。4つ目が、仮設住宅の支援。5つ目が、外部団体です。外から来る方々のコーディネートとかマッチングをやっています。
イメージですが、人材育成、復興の担い手育成ということで、関西で社会起業家の育成をやっているedge(エッジ)さんという団体と一緒にやった事業です。20名の事業を通じて石巻の復興を解決したいという方々を支援すしています。一人当たり200万から250万ぐらい支援させていただく。メンタリングというのは、アドバイスをしたり、阪神大震災から教訓を学ぶということで、神戸合宿をやったりしました。
今回、復興ボランティア学でも関係していらっしゃる方々、起業されている方々が結構いらっしゃいます。例えば、先ほども出てきましたが、TEDICの門馬さんの貧困世帯向けの学習支援事業。あとは今日Ustreamで中継していただいていますけれど、メディアージの大矢さん。
このあと7月にお話しがあるかと思いますが、移送支援をやっているReraの村島さんとか、あとはISHINOMAKI2.0の理事の一人である、古山さんがやっていらっしゃるイトナブ。IT教育とかをやっていらっしゃる団体さんです。こういうような復興を担う方々がいることが非常に大切です。今日たまたま朝刊に、ダイビングショップで起業したハイブリッジさんという団体の記事が出ていました。
続いて、この企業支援は昨年度で終了したのですが、今年度はこのフォローアップという意味でゼミをやっています。7月8日にフォーラムをやるのですが、そのときは山崎先生もご登壇される内容です。これは非常に面白い方々が登壇されます。
ファンドレイジング、NPOでいうと寄付集めは非常に重要なのですが、そのファンドレイズの仕方とか。あとはビジネスのブラッシュアップをしていただく専門、本当に一流の方とかも来ていただくので。もしご興味があれば、7月8日にいらっしゃってください。申し込みに関してウェブで検索してもいいですし、私どものほうに相談いただいても結構です。
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