もくじ
2013年7月3日 石巻復興支援ネットワーク 渡部慶太 Part7
東日本大震災のボランティアで来た石巻に残り、石巻復興支援ネットワークの事務局長として活躍していた渡部さん。団体は着実に成果を上げていきました。この成長の背景には、地縁を持つ住民と外部支援者の連携があります。このような成功が他の団体にも拡がり、復興の担い手が増えることで、石巻が面白い街になることを渡部さんは期待しています。
これまでの事業成果
主な事業成果です。縦の軸は、上が復興の担い手です。下が要支援者、支援が必要な方々へのサポートです。復興の担い手というところでいうと、企業支援をして起業された方が20名というのは、まさに復興の担い手ですね。あとは「石巻に恋しちゃった」というイベントに出てくる達人さんたちも復興の担い手であるかなと。
ピンクの文字は女性の応援ですが、人材育成スクールを通じて50名の方が卒業されたのと、そのうち10名が復興支援団体に残って勤務していただいています。これは間違いなく復興の担い手です。
今NPO、復興支援団体はやはり事務ですね。事業はやりたい思いがあるけど、しっかり守るところを守れない方が多いので、事務的なサポートをしていただくママさんがいるのは非常に力強いです。あとはアイズフォーフューチャーという、輝く女性を育てるスクールです。もう28名いらっしゃいます。
私たちはそんなにマンパワーの受け入れは得意ではなかったのですが、数えてみたら企業セクター、企業の新入社員の方々の研修を兼ねた支援活動とかも含めて、2,500名以上とか。石巻以外の学生さんも600名以上受け入れさせていただいたりしました。
手仕事支援です。震災後、2011年10月からスタートして、合計71名の方に内職賃、手仕事賃として1,100万円。Amanecerというアクセサリーショップを私たちは運営していますが、1,400万円程度の売上ができました。
あと、コミュニティー形成事業ということで、集会場でコツコツとイベントを重ねてきていて、震災後から423回やって延べ4,500名を超える方々に参加していただいています。この615名というのは、純参加者です。一回参加したことがある方が600名ということで、開成・南境地区はだいたい3,000名の方が生活されているので、約2割の方が私たちの活動に参加していただいているという感じです。広場プレーパークに関しては500名の方に参加いただいて、農園は30名ちょっと参加いただいています。
団体の成長はネットワークとコミュニケーション
私たち石巻復興支援ネットワークが、どうやって成長していったかということですが、もともとは地元のお母さん方が市民活動をされていたベースがあったのです。これは「兼子ネットワーク」と読むのですが、代表の兼子さんは非常に大きなネットワークを持っていました。そういう中で震災が起きて、一緒に活動を始めます。
僕たち外部支援者の役割というのは、事業を一緒に進めていく。計画したり、一緒に実施したり、サポートする。あとは組織体制の構築です。もともと地元の普通のお母さん方だったので、組織をどうやって運営するかとか、法人化するかとか、もちろん分からないので、その辺のお手伝いをさせていただいてます。
そういうかたちで少しずつサポートしていくと、企業さんとかNPO、ほかの支援団体とか財団さんからいろいろご支援をいただいたり、行政の方からのサポート、あとは個人で応援してくださる方もいて、徐々に事業成果として復興の担い手とか、支援が必要な方々、仮設住宅にお住まいの方のサポートとか、活躍するママさんとか、徐々にできてきます。
ただ、それだけでは不十分です。そういう中で、これはすごく面白いなと工夫したのが光合成です。習ったことありますよね。光合成で酸素を出すように、僕たち自身が支援してくださる方々に対してしっかり発信しなければいけなかったのです。情報発信です。ブログなり、Facebookなり、いろいろあると思うんですけれど。私たちの団体がしっかりやっていますという「ほうれんそう」、報告とか連絡とか、そういうのをしっかりやる。
あとは、私たちがなぜここまで大きくなれたかというと、やはりコミュニケーション。企業さんに対してのコミュニケーションと、行政の方へのコミュニケーションは違うのです。そこが、代表の兼子さんが市民活動を通じて行政の方と仲良くされていたのもあって、コミュニケーションが取れましたし、私はもともと企業にいた身なので、企業の方とのコミュニケーションもそこそこできた。というかたちで、少しずつ成果が増えてきます。
一番大きかったのが、メンターノウハウ移転ということで。やはり相談に乗っていただく、先を示してくださる方がいたのは非常に大きかったです。私たちの場合ですと、阪神大震災の復興を支えてくださっていた、復興支援活動をされていた方々になります。そういった方々の助言・アドバイスです。また、今の石巻の復興のフェーズというのは、ほぼ地域活性とかまちおこしに近い部分があるのですが、他地域で成功したモデルを参考にさせていただいたのが非常に大きかったです。
私たちの活動、団体自体は成果ができてきて、それがさらに広がっていって、私たちの団体を越えてほかの団体さんへの広がりになっているのは非常にいいと思います。こういうかたちで、石巻の復興の担い手を増やす。こういういうかたちで、復興に必要な活動をされる団体が増えてくると石巻が面白くなってくるのです。そうして、石巻に関心を持つ人たちが増えてくるといいなというところです。
コメント