震災から5年も経つと人の意識も変わるものです。2016年の復興ボランティア学は、いきなりピンチが訪れました。
復興共生プロジェクトの予算もなくなり、前年まで常駐してくれた浅野くんに、コーディネイトを続けてもらうことが、できなくなったのです。講師の手配も途中で終わっていたので、開講しても多少の混乱もありました。そうはいっても、「そんなこと前の年からわかっていただろう」というご指摘もあるかもしれません。しかし、そこは言えないこともあるのだと、察していただけるとありがたいです。
さて、そんなときゼミの学生たちが助けてくれました。これまでの復興ボランティア学でも、ゼミ運営チームをつくって取り組んでいましたが、この年はさらに一歩進んで、講師への確認や、授業のすすめ方を一緒になって考えてくれたのです。この年度のゼミは、人的にも余裕があったのと、ゼミ長の長谷川さんがリーダシップを取ってメンバーを引っ張ってくれたので、開講までにピンチを脱することができました。
この年は、すでに授業予定が決まっていて変更はできない状況でした。2015年に実施した「学生発表」も計画していたので、そのコーディネイトもしなくてはなりません。
「学生発表」というのは、あらかじめ決められてたテーマについて、グループで意見をまとめて発表するという企画です。この年は、震災遺構を残すことについてと、子どもの遊び場についてがテーマでした。どのテーマで発表したいか、事前にエントリーしたグループから4グループ選定し、6月7日と7月19日の授業で発表することになっていました。
しかし、学部も学年も違うメンバーで構成されたグループなので、発表までサポートしないと、途中放棄する可能性もありました。前の年は浅野くんがいたから、発表するグループを支えてくれましたが、今回はそれができません。その役割をゼミ長が中心になってやってくれたのです。本当に助かりました。
ピンチはそれだけではありません。この年は2回分の授業で講師の変更がありました。一人目は、堤防問題で話してもらう予定だった気仙沼の小学校の先生です。なんでも、校長の許可が下りずにできないという話でした。これは堤防問題を扱うの難しさを語っています。この時は、本人が代わりの講師を手配してくれました。
もう一人は、連絡の行き違いで、ギリギリになってできないと連絡を受けたのです。講師の手配が途中で引き継がれたので、その後のやりとりがかみ合わなくなっていたのです。これには困りましたが、なんとか代わりの講師を手配して、穴埋めができました。
2016年は次々とピンチが訪れた年でしたが、頼もしいゼミ生のおかげで、無事に講座を終えることができました。
2016年復興ボランティア学日程
4月26日 | 社会福祉法人石巻市社会福祉協議会 |
5月10日 | NPO法人にじいろクレヨン |
5月17日 | 一般社団法人 雄勝花物語 |
5月24日 | NPO法人石巻復興支援ネットワーク |
5月31日 | NPO法人こども∞感ぱにー |
6月14日 | 合同会社 巻組 |
6月21日 | きずな新聞 |
7月5日 | NPO法人移動支援Rera |
7月12日 | NPO法人TEDIC |
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