東日本大震災の復興支援を知ることから始まるをテーマに、2019年までに7年間続けてきた復興ボランティア学でしたが、新型コロナウィルス対策のためオンライン授業となり、初めて外部公開を断念しました。毎年準備していた広報用チラシも版下まで完成していましたが、日の目を見ることなくお蔵入りとなりました。H.simple Design Studioさんにデザインをしていただき、石巻のご当地キャラクター「イシノマキマン」とコラボしたチラシは幻のものとなりました。
もくじ
感染症を「災害」と考えてオンライン化を準備
他の大学が感染症対策で授業のオンライン化の方針を次々と発表する中で、宮城県の大学は情報への感度が鈍いのか、対面にするかオンラインにするか決断ができないまま4月の授業が間近に迫っていました。結局、授業開始は先送りされ、4月に入ってやっと非対面が決定しました。
しかし、今回の事態について「復興ボランティア学」は、人類史上まれに見る感染症「災害」と判断して、オンライン授業を先行して準備していました。学生たちのネット環境を考えて、動画配信型(オンデマンド)で授業を提供することに決めて、動き始めていました。
そして、登壇をお願いしていた講師の方々に、授業用に動画収録が可能かどうか問い合わせてみたところ、ほとんどの講師から了承をいただけました。一部、時間的、技術的に対応できないという講師からは、辞退もしくは過年度に授業で収録した動画を使って欲しいとの返信を頂きましたが、大きな混乱もなく非対面授業化への布石を打つことができました。
これを受けて講座日程を再構築しました。この間に大学授業開始がさらに延期となりましたが、講師の方からの動画は日程に合わせるのではなく、5月の授業開始前までに動画を納品してもらうことにしました。講師の皆さんには、動画は10〜15分程度のものを3〜4本収録し、それぞれの動画の最後に内容にちなんだ課題の出題を依頼していました。しかし、そのまま授業に使うことはできません。ある程度の加工が必要なので、早めに集めて先行して作業ができるようにしたのです。
学生の立場に立って復興ボランティア学のオンライン授業を組み立てる
授業ではMicrosoft Teamsを使いました。なるべく学生がストレスなく、オンライン授業が受けられるように工夫をこらしました。Teamsでは授業ごとにチャネルを作成しました。Teamsには「タブ」という機能があるので、その日の授業動画や資料はタブに分けて表示し、ワンストップで授業が受けられるようにしました。課題の評価については、対面とは違ってフィードバックが難しいので、ループリック評価を使って、事前に評価基準を明示していました。
授業はオンデマンドでしたが、授業開始の区切りをつけるために、開始時間にはTeams会議上に学生に集合してもらい、授業のすすめ方について解説をしていました。さらに、授業前日までには、授業のすすめ方の指示をTeamsにアップしました。もちろん、最初は学生たちはTeamsに慣れていないこともあって、操作上のトラブルはありました。しかし、その度にやり方を改善することで、学生たちも次第に慣れていって、授業の後半にはオンライン学習のトラブルはほとんどない状態となりました。学生たちの利便性を先回りして考えながら、授業を作ってきたためだと思います。
2020年度の復興ボランティア学を皆さんにも提供します
さて、2020年度の復興ボランティア学は、収録動画によるオンデマンド授業だったことは先ほども述べました。今回はシステム上の理由で公開授業にはできなかったので、あらためてYouTubeで動画を公開していくつもりです。最新情報はFacebookの復興ボランティア学ページに掲載しておりますのでご覧ください。
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