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チーム王冠 伊藤健哉Part1 -1
動画は2020年6月2日「復興ボランティア学」、チーム王冠の代表・伊藤健哉さんのお話です。2020年はオンライン開講でしたから4本の動画で提供して頂きました。今回は1番目の動画を3分割したものの1/3本目になります。
みなさんは「被災者」と聞くと、仮設住宅や復興公営住宅に入っている人をイメージしませんか。実は、多くの被災者は、仮設住宅に入ることができませんでした。その答えは、この動画の中にあります。
仮設住宅に住んでいる人だけが「被災者」ではありません
こんにちは一般社団法人チーム王冠ですよろしくお願いします。この団体の名前を初めて聞いた人もいると思うので、簡単に紹介をさせていただきます。
チーム王冠というのは東日本大震災の在宅被災者にに特化した団体です。被災者と聞くと、なんとなく「仮設住宅や復興住宅にいる人たちでしょ」というイメージを持っている人が多いでしょう。けれども仮設住宅に住めないで、被災した住宅家屋に避難し続けている人たちのことを「在宅被災者」と呼びます。
仮設住宅では様々な民間支援、公的支援が入る仕組みになっています。自分たちは、そこからこぼれ落ちたという言い方が適正なのかわからないんですが、そういう在宅被災者を支援することを目的として活動しています。
52万円を使ったら仮設住宅には住めません
在宅被災者という人たちが宮城県にどれほどいるのかというと、ざっくりとした数字をいうと、約6万世帯がいるのではないかと推測できます。なぜ「推測」なのかというと、このことに対して、きちんとした公的な調査が未だになされていないからです。
この国の仕組みでは、仮設住宅に入る人たちと、そうじゃない人たち、そこを大きく分けるものとして災害救助法の応急修理制度というものがあります。この制度には現物支給の52万円というものがあるんです。52万円というのは震災当時の金額で、いまは59万円くらいになってるかな。この52万円を使って、トイレでもいいし、お風呂でもいいし、被災したところを、そのお金で直すと仮設住宅に入れなくなってしまうんです。仮設に入っている人というのは、その52万円の制度を使わなかった人です。
6万件以上の在宅被災者がいます
その52万円を使ったということは、被災して家が壊れてしまった人っていうことになります。この応急修理制度を利用した件数は、宮城県で約6万件になります。その応急修理制度を使える権利がある人は、半壊以上の損壊判定を得た人たちになります。半壊、大規模半壊、全壊家屋にはこの制度が使えるのですが、津波に浸かりましたといっても浸かり方が中途半端だと、一部損壊という扱いになります。こういう一部損壊はこの6万件に含まれていないんです。なので最低6万件ということになります。(Part1−2へつづく)
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