もくじ
にじいろクレヨン 柴田滋紀 Part3-3
津波の街だった石巻で子供たちの遊び場づくりを始めた「にじいろクレヨン」。一緒に遊ぶ、そばにいる、お話を聞く、そのような対等の関係性で一緒になって過ごすことで、子どもたちは癒されてきました。
動画は2020年6月30日「復興ボランティア学」、にじいろクレヨンの代表・柴田滋紀さんのお話です。2020年はオンライン開講だったので、授業内容を4本の動画で提供していただきました。今回は3番目の動画を3分割したものの3本目になります。
9年間で子どもたちはどのように変化しましたか
最初は、子供達の事情や環境があったと思うんですけれども、通して言えることは、形はどうあれ満たされないものが子供達にあったんだと思います。不安な気持ちだったり、甘えたい気持ちだったり、というものを受け止めてくれる大人がいない状況があったんではないかと思います。
避難所では大人たちは、その時どうやって住んでいこうか、どうやって生きていこうか、どこで生活しようかということに心を奪われてしまって、子供たちに目を向けられなかった状況がありました。そして仮設住宅でも同じで、狭い、隣と密接したような生活の中で、周りからうるさいって言われないように子供たちに我慢させる状況が、ずっとあったんですね。そうなると子供達は甘える相手だったり、自分を出すということができなかったと思います。
そうすると、その遊び場を作った時に、子供たちの表現としては、暴力とかあるいは無表情とか、無感情とかっていう形で表現していたと思ういます。それを私たちは受け止めるというところから始まりました。だからといって何かをするわけではなくて、一緒にいる、一緒に遊ぶ、そばにいる、お話を聞く、逆に話す、そういう関係性、対等の関係性で真剣に、でも上から目線ではなくて一緒になって過ごすということをずっと続けていました。
そうすることで、子どもたちは、この人たちだったら本当の自分を出していいんだとか、自分の辛い気持ちとか、何でも表現しても怒られないんだっていうことが、だんだんわかってきて、無理をしないというか自分らしい時間を、子供達は過ごすようになってきたと思います。子供たちが本当の自分だったり、自分を取り戻すことができたのかなと思います。そうすることで、だんだん、だんだん子供たちが本当の笑顔だったり、その心に感じてるものだったりということが出せるようになったんじゃないかなと思っています。
コメント