東日本大震災後、東北の他の地域でもOCICAみたいなものづくりの事業が芽生えている。そのようなものづくりの種を育てるために、多くの人に知ってもらうメディアづくりを始めた。さらに、震災復興支援の立場からだけでなく、東北地方の伝統工芸品や手仕事文化を紹介するギフトブランド「TOHOK」を立ち上げたことも紹介している。
もくじ
2014年5月20日 つむぎや 友廣裕一 Part12
震災後のものづくりと新たな働き方
このへんは補足的な感じなんですけど。その延長で、僕らみたいな、OCICAみたいな事業を東北のほかの地域でも始めた人が結構いるんですよ。震災後に、今までものづくりをプロとしてやってなかったのに、いろいろ失ったがゆえにあるものでモノを作ったみたいな人ってすごくいて。そういうことって、普通じゃないじゃないですか。
普通の世の中だったら、僕がいきなり「ものづくりで食べていきます」みたいなのは絶対ないと思うんですけど、そういうことが生まれてくるってすごく面白いことだなと思って。
このタネをちゃんと育てていきたい、でもみんな知らなかったら広がらないよね、みたいな。かつ道の駅とかでおばちゃんが作ったものがポンと置いてあっても、「あ、これは私には関係ない」みたいな感じに終わっちゃうのはすごくもったいない。
でも、これをどういう人がどういう思いでつくったのか。今までものづくりなんてしたことなかったのに、ものを作ってこれを一つ生業にしようと思って始めた人の一歩にどういう思いがあるのかというのを共有できたら。
例えば僕らがNOSIGNERというデザイナーと出会ったように、デザイナーの人が「それなら僕が応援したい」みたいな人が出てきたり、「販売を手伝いたい」みたいな人が出てきたりするんじゃないかと思っています。
東北のギフトブランド「TOHOK」の立ち上げ
そういう何かメディアをつくりたいなと思っていたところ、たまたまスイスの時計メーカーの人が一緒にやろうと言ってくれて。「ジラール・ペルゴ」というすごい高級時計メーカーで、僕は全然知らなかったんですけど、一緒に立ち上げて、一個一個各現場を回りながら、どんな人がどういう思いでつくってきたかみたいのを今発信しています。というようなウェブサイトをやったり。
あと、実は最近、先月オープンしたんですけど、「TOHOK」という、ティー・オー・エッチ・オー・ケーでTOHOKという、これはギフトのブランドを立ち上げて。さっきのはわりと復興支援みたいな位置づけなんですけど、こっちはほんとに東北にあるいいものを紹介したいなと思っていて。いいものをちゃんと買えるような場所、お店をつくりたいという思いがあってつくりました。
これは震災後に生まれたものもあれば、もともとあった伝統工芸品であったりとか。もともと生活の中で使われていた、ほうきとかは、岩手の『あまちゃん』の舞台の久慈市で、じいちゃん、ばあちゃんがほうき草のタネをまいて、1年かけて収穫して、それをほうきにするんです。昔からそれをやってたんですけど。
そういう文化があって。そういうものを、時間をかけてていねいに作られたものを大切な人に贈る。どこでも買える大量に作られたものを贈るよりも、1個しかないものを贈りたいという人がいるんじゃないかと思って。
東北は手仕事の文化がすごくある場所だから、そういうものを贈り物にしてもらえるようなサイトをつくろうというので、TOHOKというECサイトをオープンしました。これを目下、なんとかもうちょっと売上げを上げられないかと今苦戦してるところです。ぜひ皆さん見てください。
というわけでだいぶしゃべりましたけど、以上です。ご静聴ありがとうございました。
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