鹿のツノと漁網といった地域資源の活用から始まったOCICAの事業は、金がなくてもスタートできる事業のヒントになればと考えて、活動のプロセスをまとめた本を出版した。カキの加工場が再開した現在でも、OCICAの活動は続いており、地元の人たちにとって新しい価値を生み出すとともに、多くの人たちに笑顔をもたらしている。
もくじ
2014年5月20日 つむぎや 友廣裕一 Part10
OCCIAの起業プロセスを本にまとめました
こういう事業を立ち上げて一応軌道に乗ってくるまでのプロセスを本にまとめました。去年か、一昨年か、まとめました。というのも、最近はまたちょっと違うかもしれないですけど、当時すごく感じてたのが、被災地には仕事が必要だというのがすごい言われていて。なんせ緊急雇用みたいなものを始めたり、いろいろ生まれてくるんですけど、なんか一つのヒントになったらいいなと思って。
地元の人たちが何かやりたいと思っても、どっかで「お金があったらできんだけどねえ」みたいな話になりがちなところがあるなと思っていて。それは石巻に限らず、ほかの地域をずっと回ってたときもそうで、「国のお金が取れたらできるのになあ」みたいなことをよく聞くことがあって。「そうじゃないよな」と思ってたんです。
たまたまOCICAって、全然お金がないなかで、さっき言ったみたいにホーマックで買ってきた機材と、もらった鹿の角と漁網の補修糸で、ほんと10万もかけずに事業をスタートして、1年半ぐらいで1,000万ぐらい売れたんです。そういう感じでスタートして軌道に乗ってくるというなかで、再現性はないけど何かのヒントになるんじゃないかというので。これもかなり事実ベースで、こんなふうに始まりましたみたいな、おかあさんたちがこうやって進んできたらこういう形になりました、というのをまとめた本です。これもAmazonとかで買えるので、よかったらぜひお願いします。
その本の中に、売上げをどうやって折半しているかとかもわりと事細かく包み隠さず書いていて。あまりホームページとかには出してないんですけど。というのも、誤解されるというか、数字だけ出したら、「これ高いんじゃないの?」とか、「安いんじゃないの?」みたいな話になっても嫌なんで。ちゃんと「こういうふうなものです」って、0から10までちゃんと共有したうえで、「実はお金はこうやって分けてますよ」というのを書いています。ざっくり見てもらえると思います。
OCICAの活動が生む笑顔
今はOCICAでいうと、去年の秋にカキの加工場ができたので、今はまだカキのシーズンなんでおかあさんたちは結構カキむきに行ってます。べつに必要なくなったらやめてもいいかなと常に思っているんです。けど、やっぱりおかあさんたちの中では、カキむきも大事だけど、OCICAという場は今までになかった新しい価値があって、楽しいし続けていきたいというので、一応細々とでもやっていこうという人もいます。カキむきを再開しない人もいるので、そういう人たちは今も来てやってます。
週2回午前中やっていて、のべ12人ぐらいいて。明後日も実は、貯まったお金、さっき共益費と言ったんですけど、これは一部ストックしているお金で、たまに豪華な昼食会とかするんです。どこか、松島とかへ食べに行ったりするんです。明後日もちょっとご飯食べに行くんですけど、なんかそんな感じです。
ただお金を生む、仕事をつくるというだけじゃなくて、それ以外にも僕らが考えているのは、笑顔を最大化させるような、このおかあさんたちのための事業なんで、このおかあさんたちの笑顔を最大化させる。ただ事業規模を大きくしたりとか、さっき言ったみたいに世界いっぱい展開するとかがゴールじゃなくて、地元のおかあさんたちにとってほんとにいいものにしていきたいなというのが一つのゴールですね。というのを考えながら経営をしています。
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