1.知らない暮らしを知る旅へ

つむぎや

大学時代から友廣裕一という人間が、自分の力でどうやって生きていけるだろうかと常に考えてきた。そこで、ピンと来たテーマが「地域」だった。それには、地域で、どんな人が、どんなふうに暮らしているか知る必要がある、と思って旅に出た。北海道から沖縄まで、限界集落や過疎地の村々を回り、仕事を手伝うかわりに家に泊めてもらうなどして、旅をつづけてきた。

2014年5月20日 つむぎや 友廣裕一 Part1

僕がやってきたことを事実ベースで共有します

一般社団法人つむぎやの友廣と申します。よろしくお願いします。大学でお話しさせていただくってすごい緊張しますね。僕は大学時代全然いい生徒じゃなかったので、いつも寝たりしてたから、すごい逆に僕が問われるような感じでちょっとドキドキしますね。

いま紹介していただきましたが、僕は震災後、3月17日から宮城県に入って、そこから石巻に流れてきて、牡鹿半島にたどり着いて、そこでいろいろ活動しています。前回、たぶん河内(崇典)さんはめちゃくちゃしゃべりまくったと思うんですけど、僕はマイペースにいきます。

あんまり「どや!」みたいな、「こんなすげえことやってんぜ!」みたいな感じというよりは、僕はどんな人間で、どんなふうに一歩踏み出すことができて、そこから今どんなことをやっているかを事実ベースで共有できたらなと。それを通じて少しでも考えることとか、何かのヒントになったらいいなと思います。

 いま僕が活動しているのは、「OCICA」という、鹿の角と漁網の補修糸で作るアクセサリーのブランドをやっています。あと漁網の補修糸でミサンガを作っていて、それを作った収益でお弁当屋さんを牡鹿半島に、地元のおかあさんたちと一緒に立ち上げたんですけれども。その話をしていけたらと思っています。

そうだ、知るために旅に出よう

僕の大学時代は、皆さんもそうなのかな、商学部で経営学とかを勉強していました。といってもあんまり勉強してなくて。大学生として、いろいろ活動していくなかで、自分はどんなふうに生きていこうかなと思っていました。なかでも僕は就職活動とかするのがあまりしっくりこなくて、自分の力で生きていきたいなというのがすごくあったんです。友廣裕一という人間としてどうやって生きていけるだろうかというのをすごく考えていました。

そのなかで一つピンと来たテーマが「地域」というテーマで、農村とか漁村。大学時代に新潟のある集落に出会って、そこがすごく良かったんですよ。僕が全然知らない暮らしをしている。おばあちゃんとかが、「ウサギはカレーがおいしいのよね」みたいな。「マジっすか」みたいな。

このあと出てくるんですけど、牡鹿半島でも鹿を捕ってる猟師さんとかいるんですけど。僕は大阪出身なんですよ。で、東京の大学に行ってたんで、まったくそういう暮らしは知らなかったんですね。ふつうに日常の食卓に鹿が出てくるとか、イノシシ出てくる、ウサギはカレーがおいしい、みたいな。えっ、みたいな感じじゃないですか。でもそういう暮らしの中で、僕が知らなかった、生きていくうえで大切なことがあるんじゃないかなと思って、何かそういう地域に関わる仕事がしたいと思うようになりました。

 卒業してから、このへんいろいろゴニョゴニョあるんですけど、どんな人がどんなふうに暮らしているか、知ることからしか始まらないんじゃないかと思って、「よっしゃ、旅に出よう」と。お金持ってなかったので、とりあえずヒッチハイクとかして、人生初めてのヒッチハイクでした。

北海道から沖縄まで、農村、漁村、農家さんとか漁師さんとか、牧場で働いている人とか、林業をやってる人とか、そういう人の家に泊めてもらって、「手伝いさせてもらうかわりに泊めてください」「ご飯食べさせてください」というのをお願いして、回っていました。いきなりテレビでやっていた『田舎へ泊まろう』みたいな感じじゃなくて。よく言われるんですけど、僕あんまりテレビ見ないからよく分からないんです。

基本的には何人か知り合いがいて、そこを紹介してもらって、行って手伝ったら、「おまえはあそこに行ってこい」みたいなことで結構紹介してくれるんですね。農家仲間とか、親戚とか、いろいろ電話番号を渡されて。富山の人が、「鹿児島に行ったらこの牧場の人に会いに行け」みたいな、「近くに行ったら電話しろ」みたいな感じで紹介してもらって回りました。

動画 Part2(2014年 つむぎや)


やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

関連記事

団体別インデックス

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


最近の記事

  1. 12.東北で手仕事のタネを育てたい

  2. 11.笑顔の最大化がゴールです

  3. 10.OCICAが切り開いた外の世界

  4. 9.売るためにはデザインが鍵だった

  5. 8.鹿のツノでものづくりをしよう

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

TOP
CLOSE
Translate »