東日本大震災では災害ボランティアセンターで活躍していた、石巻市社会福祉協議会の阿部由紀さん。石巻市では東日本大震災によって崩れた地域住民の関係を再構築することが課題となっています。社会福祉協議会では、地域福祉コーディネーター制度によって、地域でささえあう関係づくりに取り組んでいます。
もくじ
2014年4月22日 石巻市社会福祉協議会 阿部由紀Part15
地域福祉コーディネーターに期待すること
社会福祉協議会として、地域福祉コーディネーターという職員を10人雇用しました。その方々というのは、例えば牡鹿とか雄勝とか北上という地区は沿岸地域の漁村を担当します。リアス式海岸に沿った漁村で限界集落です。高齢者が結構多くて高齢化率70%なんていうところもあると思います。
内陸部は河南地区とか桃生地区といった農村地域で、田んぼで稼いでいる人がいます。一方で石巻の蛇田地区については復興公営住宅のでかいのが建って、これから受け入れていかなければならない市民と、行かなければならない市民の間で、不安や葛藤があるはずです。仮設住宅や、みなし仮設住宅で、これからの不安を抱きながら暮らしている方がたくさんいることも事実です。これが今の石巻です。
フランチャイズやチェーン店がオープンしてきらびやかになって、チャラチャラした感じになっているかもしれませんが、実際の復興なんてまだまだできていないのです。だから自殺者が増えている、孤立が増えている。これが今の石巻の現実なのです。それを地域福祉コーディネーターとかが、どのように昔のような関係性を構築できるか、みんなで協力し合える地域づくりをすることができるかが課題です。
地域のささえあいはあいさつから始まる
例えばみんなも家に戻って近所に年寄りがいたとき、その年寄りが具合悪いか悪くないかなんて、今まで気に掛けることはないと思うのです。急にバタっと隣のじいちゃんが死んだとか、後で聞くのが今までだったと思います。
けれどもこれからは、体調悪そうだなって、あの家の花が咲かなくなったとか、玄関先のポストが結構いっぱいになることが多くなったとか、そういった生活の変化に周りが気付いて誰かに言う、町内会、お父さん、お母さんでもいい、誰かに言うことができて、それがつながれば、平均寿命も延びるかもしれません
それから地域の中での支え合いというのは、あいさつから始まります。今、近所でみんなあいさつしますか? あいさつしない人って多いのです。この間、高校生にあいさつしたら知らんぷりされましたね。何だこのやろうとい思いましたけれども。
ちょっと昔から短気なので、私は宮城水産出身です。当時は荒れた学校で変なバイクも走っていました。だからいろいろなところにもご厄介になりましたし、みんなは石巻の人かもしれないので言ってもいいのかもしれませんが、日和山のほうにも裁判所みたいなのがあって、そこにも2回ほどご厄介になっています。
昔は若気のいたりでいろいろなことをしました。ただ自分が目指すものは何だろうと思ったときに、私は子供支援をしたいと思って就職をしたのです。これから皆さんが生きていくときに、いろいろな人生の曲がり角がたぶんあると思います、いろいろな出会いもあると思います。そこら辺は大事にしながら、あと仲間というのも大事にしながら、いろいろな体験をして、社会人になってほしいなというのが最後のメッセージになりますかね。
だいたいここら辺でお時間なので講義のほうは終了させてもらいますが、結構聞いてくれる人がたくさんいたなと実感しました。ありがとうございました。以上で終わります。
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