東日本大震災では災害ボランティアセンターで活躍していた、石巻市社会福祉協議会の阿部由紀さん。東日本大震災から3年が経過して、被災者の生活不安や孤立は増すばかりです。そうした課題に対応するために、社協では地域福祉コーディネーター制度を作って、地域福祉の再生に取り組んでいます。
もくじ
2014年4月22日 石巻市社会福祉協議会 阿部由紀Part12
時が経つにつれて増える不安
今の課題は、生活の不安や孤立です。もちろん自殺も増えています。去年の倍です。毎年増えているのです。数字では出せませんが、さっき言ったように3年という数字はそういう数字です。
お金がなくなっていく、もしくは体調不良を訴える。すべてが震災のせいになる。それが負担になって、自殺に追い込まれる方がいます。2年目より3年目がその倍になったというのは、我々としては今後のことを危惧しています。
それは報道には絶対に出ません。なぜかというと助長してしまうのです。おんなじ境遇だったら俺も死んじゃったほうがいいのかと。そういうふうにならないように見守りや、そういった部分で地域が強くならないといけない。地域で暮らしている人たちが何をしているのかというのを分からないといけないのです。
地域福祉コーディネーターの役割
みんなもそうなのだけど、例えば「地域で助け合わないといけないよね」「ボランティア活動って大事だよね」ってきれい事を言っているやつに限って、家の周りで何もしてないことが多くないですかね。
それって、やっぱり矛盾していると思っています。家の周りでもやる、自分が言っている言葉にも責任を持つ。それがやっぱり人間としても生きかたです。
だから、今まさにその地域づくりという部分において、地域福祉コーディネーターが担うのです。古来から助け合ってきた日本文化、そういった大事な社会資源を活かすのです。
でも、実際はケアがありすぎます。法の面の支援だったり、心の支援だったり、あとは障害者の支援だったり、もしくは高齢者のケアだったり、就職支援だったり。私は異端児だから言ってもいいのかもしれませんが、こんなものないほうがいいのです。なければ自分でやらないといけなくなります。
何にもできない人たちをどう救うかと考えたほうが、考えやすいのです。しかし、いま多方面でいろいろなモノがありすぎて、どれを選択していいかみんなが迷います。たくさんの書物が出ているし、ビラも配られるので、いろいろなことを迷ってしまうのです。
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