今回は避難所に関する話題と家族との連絡方法についてです。避難所の運営は誰がしているのかは、実際に体験した人にしか分かりません。実は避難所では被災者であっても、自分たちのことは自分たちで決めて運営するのが大原則です。また、避難する時に家族が全員いるとは限りません。そこで、複数の家族と事前に連絡を取る方法も決めておく必要があります。
もくじ
2014年4月29日ピースボート災害ボランティアセンター
小林深吾 Part8
基本的には避難者の自主運営です
「避難所に行ったときに、まずどうやって行動したらいいのか」という疑問・質問です。ちなみに、避難所は誰が運営するものだと思いますか。「市役所の人が運営すると思う」という人。これはいない……、あ、1人。「その避難所の学校の先生が運営するものだと思う」。いない? いる? 「誰が運営するのかよく分からない」という人。
仙台市では「避難所の運営は、基本的にはそこに避難して来た人たちの自主運営になります」と言われています。なぜならば、災害が起こって、災害対応をしなければいけないのは区役所とか市役所の人とか、その地域の行政機関が災害対応をしていきます。けれども、全部の避難所に職員さんを配置できるわけではありません。
なので、その行政の人たち、職員さん、市役所の人たちは、どんな避難所でどういうことが足りなくて、というのを市役所とかに報告するような連絡係はしてくれますが、運営は基本的にそんなに積極的に手伝ってくれない場面のほうが多いです。
避難所の運営は自主的に関わりましょう
その中でのルールの決め事だったり、ごみはどうやって捨てるのか、消灯時間はどうするのかというのは、そこに避難してきた人たちが自分たちで話し合って決めて、ルール作りをして、みんなが気持ちよく生活するようにしていかなければいけない、ということになります。
ここでみんなにお願いしたいのは、避難してきている人たちには、たくさんいろんな方がいます。さっきも言ったように、赤ちゃんがいるかもしれないし、高齢者の人もいるかもしれない。そういう意味では、体が動く若い世代が積極的に、例えば、物資の配布を手伝うとか、寝る場所の確保とか整理とかを手伝ってあげる、とかっていうことが非常に大切になってきます。
なので、もしも万が一、震災が起こって避難所に行くことになれば、自分はお客さんではなくて、そこの運営を手伝うという立場にぜひなってください。
家族との連絡方法は事前に決めておきましょう
災害が起こったときに、複数の家族との連絡方法を考えてみてください。幾つか方法があるかと思います。電話はつながらないとなった場合、どうやって連絡を取るのか考えてみてください。
例えば、災害伝言ダイヤルというのをNTTでやっていたりします。171と言われるもので、メッセージをそこにダイヤルすると残せて。そこにかけてその人の電話番号を入れると、メッセージを聞くことができるというのが一つの方法。
もう一つは、例えば、携帯のメールとかパケット通信のほうが通話よりもつながるかもしれません。現代っ子の僕らは、フェイスブックとかツイッターとかでお知らせすることも可能かもしれない。
または、被災地の外、遠隔地。例えば、東北で震災が発生したら、北海道とか関西とか、遠隔地のほうが比較的電話とかがつながりやすいと言われていますので、その遠隔地にいる親戚とかを中継して連絡を取るという方法もあるかもしれない。
大事なのは、1個が駄目でも、ほかに方法がある。かつ、それをちゃんと事前に家族と話し合っているということです。自分だけ171のやり方を覚えていても、家族が知らなかったら誰も使わないですね。大事なのは、複数の方法を家族で確認しているということです。
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