2.人生が動き始めた大学時代

石巻復興支援ネットワーク

2013年7月3日 石巻復興支援ネットワーク 渡部慶太 Part2

石巻復興支援ネットワークの事務局長として活躍していた渡部さん。大学時代は、わくわくすることに挑戦したことで人生が動き始めました。就活が目前に迫った大学3年で休学をして海外へ行きます。最初に滞在したオーストラリアで途上国の貧困問題に関心を持ったことから、インドへ渡ってNGOでボランティアをしました。帰国してからは残された大学生活でやりたいことをやって過ごします。

休学して海外で自分探しの旅へ

人生が動く大学2〜3年

「人生が動く大学2~3年、休学」ということです。私はヒッチハイクで日本を旅します。

これは、昔『電波少年』というテレビ番組があって。多分今の学生さんは分からないと思いますが、猿岩石の有吉、今毒舌芸人の有吉っていますが、彼はヒッチハイクでユーラシア大陸を横断しているのです。それを見て影響を受けていたということと、あと友人がヒッチハイクをしていたのです。話を聞いていたらわくわくするということで、やってみます。

「バーニングプロジェクト主宰」と書いてありますが、勝手に団体名を名乗って変なことをする。お友達同士で富士山に登ったり、あとは24時間テレビを見て感動して、「じゃあ、あした100㎞マラソンをやろう」ということでやってみたり。そういうくだらないことをやったりしました。

そういう中で、時間はあっという間に過ぎるもので、就職活動を迎えます。就職活動をする中で疑問に思ったのが、自分が何をやりたいかというのがあまり見えてこなかったことと、そのまま就職することに関して疑問があったのです。海外の大学だと、休学をして旅をしたり、インターンをしたり、そういうかたちで自分のキャリアを高めていきます。私も「自分探し」と言ってしまえばそうなんですけれど、休学して海外に行きます。

オーストラリアでボランティアに目覚める

行った国がオーストラリアという国でした。海外に行ってみるといろいろなものに気付きます。例えば、日本製品がたくさんある。トヨタが普通に走っているとか、おすし屋さんがあるとか、日本ってすごいなと漠然と思ったり。なかなか日本にいると気付かないのが、宗教の問題とか民族の問題。そういう中で、少しずつ世の中というものを知っていきます。多分、日本にいたら気付かなかったようなことでしょうね。

その中で、「Live 8」と書いてありますが、これは貧困のチャリティーコンサートです。G8のサミットがこの直後にあるのですが、G8の首脳陣に対してアフリカの支援を訴えるのが狙いのチャリティーコンサートでした。

私はこれをオーストラリアにいるときにテレビで見ました。非常に鳥肌が立つというか、感動しました。U2のボノさんとか、スティービー・ワンダーとか、マドンナとか、そうそうたる方々がコンサートに出ていました。

私もそういうことをやりたいと、漠然と思うようになります。そのまま考えたときに、途上国の貧困って何だろうというのを考えたのです。そして、純粋に知りたいと思いました。

オーストラリアに、だいたい半年ぐらいいた後に、そのままインドに行きます。オーストラリアにいるときに、現地インドのNGO・NPOに「少し何かをさせてください」というかたちでコンタクトを取りました。たまたま受け入れしてくださった、快諾いただいたNGOのところに行きます。これはちなみに大学3年、2006年のことです。

インドの貧困の現場で無力感を抱く

インドでの出会い
インドでの出会い

インドのNGOに行って、貧困というものをまじまじと見ます。私が行った所はインドの片田舎でした。外国人の方がまだほとんど入ったことがないような所で、歩くだけで「サインくれ」とか言われるような世界でした。そこで貧困をまじまじと見て、もう打ちのめされてしまいます。

そもそも大学生で2~3週間行ったからといって何もできるわけがないのです。ただ見るだけ。見ても何もできない。貧困の根深さというか、簡単には解決できないということを肌で感じて打ちのめされます。

例えば私が目にしたのは、小さい女の子の赤ちゃんがいて、顔に半分ぐらいの腫瘍を持っていました。その腫瘍というのは栄養失調から来るらしいのですが、多分日本人からすると、数百円とか数千円ぐらいあればその腫瘍はなくなって、一生かわいらしい顔で生活できるのでしょうけど、それがないために、その子は顔に腫瘍を持ったまま一生を終えなければいけない。

肌で感じたときに、貧困って壮絶なるものだなと当時感じます。貧困というのは簡単に解決できるものではない、私が何かできるものではないという感じで、もう「無理だ」というか、虚無感でいっぱいになりながらこれを終えました。そのあとインド、マレーシア、タイを旅して日本に帰ってきます。

これはインドの写真です。インドはやはり途上国です。今は発展が目まぐるしいですけれども、普通に歩いていたらこういうふうに小さいヤギが産まれるシーンを見られたりしました。

また、右下は普通の家族ですけれども、真ん中のお母さんは目が見えませんでした。目が見えない生活で、しかもかなりの困窮世帯だったのですが、非常に優しく接してくれました。非常にいい思い出というか、残酷な思い出というか、表現しづらいのですがそういうのがありました。

復学してからやりたいことを何でもやってみた

何かを間違えた大学4年

大学を休学して、2006年12月に日本に戻ってきます。大学3年生が終わった時点で休学して、その年の12月に戻ってきます。戻ってきて、貧困とかそういう課題に関しても問題意識はあったのですが、やはり日本に帰ってきてしまうと日本の生活に染まってしまうこともありまして。あと1年ちょっとしかない大学生活をどうしようか。何かやりたいことをやるしかないと思って、できることをやり始めます。

「訪台団として、台湾で10日間の交流」とあります。たまたまメーリングリストで「台湾へ10日間ただで行ける」みたいなのが回ってきて、申し込んだら通ってしまったという話です。台湾で、私は学生の代表団といったら大げさですけれども、日本の学生の代表の一人として向こうに行って10日間交流します。

それが非常にいい思い出で、台湾の学生と交流して、台湾のために何かやりたいと思うようになりました。台湾って結構微妙な国で、国として認められていなかったり、台湾に日本の大使館がなかったりします。台湾とのつながりを何とかしたいと思わせるイベントでした。

あとは「就活をさっさと終わらせ、ホストクラブ体験入店」と書いてありますけれど。当時、この「何かを間違えた」というのは就活の仕方を間違えたのです。3月に台湾に行って、5月にはホストクラブに体験入店しています。就職活動をそんなにやらなくて、受かったところに入ってしまったという感じなのですが、これが後悔の元なのです

そういうかたちで、やりたいと思うことをひたすらやり続けます。ホストクラブ体験入店は、1回入店して早々と終わりになってしまいますが、すごかったです。筑波大生がホストをやっていたりしたのですが、血へどを吐きながら飲むのです。その壮絶さを見て、私には無理だなということで早々と辞めます。

それ以外に、学園祭でダンスをやっている人たちがかっこよかったのです。ストリートダンスみたいな。僕もやりたいということで、ストリートダンスサークルに入って、学園祭で踊ってみたり。取りあえずやりたいものをひたすらやっていったという感じです。

このころ、ボランティア・NPOへの関心も芽生え始めます。元から貧困問題を知っていたというのもありましたし、新しい出会いとかきっかけは非常に面白かったのです。なので、地元のお祭りのボランティアをしてみたり、ETICって聞いたことあるかもしれませんが、そのプログラムに参加してみたりし始めます。

「ばかなことにも一生懸命」と書いてありますけれど、熱い人間でいたかったのです。変に勘違いしてしまって、「楽しいことをやろう」という感じでやったのがこんな感じです。

これはちょっとエッチな話ですけれども。これは大学の中心です。すぐそこが食堂です。筑波大学のキャンパスの中心だったのですが、当時付き合っていた彼女さんと朝早く忍び込んで、ヌード写真集を作ろうという話をします。

朝早くでないと人が来てしまうので、朝早く忍び込んで。これは寒い、秋ですね、12月の朝5時ぐらいに起きて写真を撮ったりしました。これはキャンパスの中心なんですけれど、食堂とか教室とか、いろいろな所で撮ったりしました。

右下が、当時のばかなお仲間と撮った写真です。パッと見ると結構芸術的ですよね。これは大学生のころなので2006年ですが、2012年にこれをヌード写真集にします。本当は見ていただきたいぐらい芸術的なものもあるのですが、今日は「ちょっとエッチな話」なのでとどめておきます。

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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