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2013年5月21日 ワカツク 渡辺一馬 Part5
仙台で若者の社会参加と人材育成を手がけるワカツクの渡辺さん。ビジネスサークルの活動に没頭して、充実した学生生活を送っていました。しかし、サークルの仲間が就職活動をしているのを目にしていながらも、大学在学中に就活をするものだと気付いたときは手遅れでした。卒業間近となって「所属先のない恐怖」を感じた渡辺さんは、自分の会社を設立します。
住宅街に集う怪しい学生集団と思われていました
当時の事務所はこんな感じです。大学の近くの一軒家をお借りして、そこに学生が3時、4時ぐらいからわらわらと集まり始め、ホームページを作るやつ、コンサルの営業資料を作っているやつ、雑誌読んでいるやつ、ウイニングイレブンやっているやつ、ご飯作っているやつ、楽しい学生生活を送っていました。
周り近所からは怪しい団体だと思われていました。だって、住宅地の中に夕方からいっぱい自転車が並んで、そこに学生がいっぱい入ってくるから、すごく好意的に見てくれている方で学習塾。裏で聞くと、新興宗教と言われていましたけれど。似たようなものですよね、低賃金でみんな働いていたわけですから、新興宗教よりたちが悪いと言えば悪いのですが。学生で集まってやっていました。
4年生になりました。就職活動が始まります。僕は大変な勘違いをしまして、就職活動は卒業したあとにするものだと思っていました。これも先輩がいないマジックがなせる技でして、先輩がいませんから、いつ就活をするかということを知りません。
就活に出遅れ、所属がない恐怖から会社を作りました
ここまで話を聞いて何となく分かると思いますが、僕はほとんど大学の授業に出ていませんでした。大学に行って仕事はしていましたが、大学の授業はほとんど出ていなかったので、しかも単位にもならない進路指導室のガイダンスなんか行くわけがないのです。単位になるならともかく。行かなかったので、就活のルールを知りませんでした。
でも、僕は目が付いていますから、自分の同級生がスーツを着て大学に来ることが多くなって、「おまえばかじゃないの?」って聞くんです。なぜかというと、くそ暑いときにスーツ着て来るから。それで汗をふいているから。もう思ったそのまま「おまえばかじゃないの?」と言うと、言われた友人Aは僕に対して「ばかじゃねえよ」と言い返します。会話は終了です。
これが就活か何か僕は分からないまま、何回かそういう問答が続いて、秋とか冬になり、就職活動がそういうことかと、さすがに僕にも分かったころには、もう手遅れで、会社をつくることにしました。
ここら辺が感覚的には分からないかと思いますけど。後から質問されるかもしれないので、先に言っておきます。小学校、中学校、高校、浪人の時代も代々木ゼミナールというところだし、宮城大学にいたから、卒業して就職先がないという、所属がないということが大変に僕は恐怖だったのです。
世の中的には就職活動はもう終わっていて、4年生の秋から就活したって入れないということを、本当かどうかは知りませんが、そう聞いたから無理だと思い、所属がないのは怖いから、会社をつくったら所属があるだろうと思ってつくったというだけです。
素直でした。「会社をつくるのは簡単だよ」と先生が言うから、「あ、そうなんですね」と言って、実際に法務局に行ったら「簡単だよ」と言うのです。書類書けばいいんだから。あ、本当ですね。それでもう会社は出来上がりです。素直でした。言い方を換えると、ばかです。
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