2.宮城大学で野田学長と出会う(2013年ワカツク)

ワカツク

2013年5月21日 ワカツク 渡辺一馬 Part2

仙台で若者の社会参加と人材育成を手がけるワカツクの渡辺さん。大学進学の時期となって、新設の宮城大学へ一期生として入学しました。入学式の学長祝辞では「諸君、入学おめでとう。しかし、学ぶものがなくなったらすぐに退学しろ」との言葉。それが宮城大学初代学長の野田一夫さんでした。野田先生の方針のもと、何でも自分で考えて行動する大学生活がスタートします。

ファンキーな宮城大学初代学長・野田一夫

野田学長の一言

大学は、宮城大学に入りました。僕が宮城大学の1回目の学生になります。石巻の大学も比較的新しい大学だと思いますが、宮城大学が多分この県の中で一番新しい大学だと思います。

1997年にできて、1期生として入ります。想像がつかないと思いますが、1期生ですから、先輩がいません。宮城県が300億近いお金を出して、鳴り物入りで建てた大学に、たかだか二百数十人の新入生です。

そこで初回の入学式。皆さんも入学式を何年か前に経験したと思います。この場には高校生の人もいるかもしれないけれど、経験したと思いますが、そのときに学長がどんな話をしたか覚えているような学生さんはあまりここにはいないと思います。

僕のときはとても強烈だったのでしっかり覚えています。「諸君、入学おめでとう。しかし、学ぶものがなくなったらすぐに退学しろ」。新設の大学で、県立で税金使っている大学の学長が、初回でそんなことを言うんだから、なかなかファンキーな大学だなと思いました。

「退学したやつのほうが偉いんだ。孫君もだ、小室君もだ、ビル・ゲイツもじゃないか」と。退学とか中退とかいろいろありますけれども。「大学は卒業するところじゃないんだぞ」ということを、入学式のときに言った野田先生という、こんなじじいがいます。

今年で88だか86になるはずです。老いてますます盛んという。十数年前に、まだ七十……、それでも七十数歳だから、当時東京の自宅から仙台の大学まで自家用車で通うという、よく分からないじじいでして。すごいおじさんでした。

野田先生のところに若き孫正義が教えを請いにきた

野田先生は経営学者で、もうお亡くなりになりましたが、ピーター・ドラッカーというアメリカの経営学者を日本に紹介した方です。皆さん世代になるともう知らないかもしれないけれど、『もしドラ』という経営学の本がありましたが、あのドラッカーを日本に紹介したのが野田先生です。野田先生は30年、40年前から結構有名だったわけです。

そこに若かりしころのソフトバンクの孫さんが訪ねていって、野田先生に経営を教わりに行きました。経営を教わりに行ったはずなのに、そこで禅問答が始まり、その禅問答が今ここに書いてある「孫君、君は志と夢の違いを知っているのか」という質問です。孫さんは夢と志がどう違うかを説明して、「僕が持っているのは志です」と言った。

野田先生は、当時28歳だった孫さんを「だったら君は成功するだろう。僕が応援する。いろいろな人を紹介してやるよ」と言いました。好き嫌いあるかもしれませんが、孫さんは非常にでかい会社の社長を今もやっています。そんな野田先生がつくった大学で、だいぶ破天荒な大学生活を送りました。

動画Part2(ワカツク 渡辺一馬)

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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