もくじ
2013年5月21日 ワカツク 渡辺一馬 Part11
東日本大震災でボランティアの活動を裏方として支えていた渡辺一馬さん。新しい団体「ワカツク」を設立し、次の災害に備えて人材育成事業を再始動します。復興の現場で若者が成長するような機会を数多くつくるために、これまでつないできた縁を活かして、つぎつぎと新しいプロジェクトを立ち上げました。
「東北1000プロジェクト」
「東北1000プロジェクト」という、東北を新しくしていくような、いろいろなプロジェクトを有象無象何でもいいから載せたい、というサイトを昨年の3月25日にオープンさせました。
1000個集めようとしたけど、なかなか集まらなかったのですが、多分今週中に600個を超えます。何とか600ぐらいを超えていくと、1000っぽくなってきたので、今年中に800ぐらいまでいくといいなと思ってやっています。
この活動、これだけのことを集めてこれだけの運用をしているのに、お金は100万円もかかっていません。もっと金かけてやっている人たちはいるけれども、本当に頑張っているのかなという、某……、あるんです。国が3けたぐらいいっぱい金を出して。
「ディーツー」というところに金を出しているのに、そこの人が「何か情報ないですか」みたいなことを「うちに聞きに来るな」という感じですけど。うちは「金をくれ」と言うんだけど、なかなかもらえない。スポンサー募集中です。
F+ Project (エフプラスプロジェクト)
F+ Project です。これもご縁があって、被災地を支援するような商品を作っていただいている企業さんが、その売れた金額の一部を私どものほうでお預かりして、それを被災地で活動している団体の方にお配りをするということをやっています。
とはいえ、今は集まってくるお金の数が少なくなっているので、若い人でそういうことをする人向けに限定して、そういう方々にお金を出しています。なので、今日お話を聞いている中で、被災地支援系の仕事をしている方で、出すといってもたかだか10万ちょっとですけれども、それだけあったって意外といろいろなことができますから。そういうのが欲しいと思うような方がいたら、ぜひお問い合わせいただければと思います。
僕らも、その十数万をあげるために、ちゃんと申請書を書いてもらって、やってもらったことの報告書をもらって、それに対して「これってどうなの?」とか「それはどういう意図があるの?」というブラッシュアップをします。
結果、そのブラッシュアップを通った団体さんは、もっと大きいファンディングのほうに手を挙げてちゃんとお金を取る。僕たちが出す十数万円のお金は、次の50万とか100万とか200万というお金を取るための準備運動に使っていただいています。
次が来たとき、若者は何ができるのだろうか
「また来るんです」。ここに来るかどうかは知りませんが、また来るんです。また来たときに僕たちは、次誰かに対して何か返せるのかどうかということが今心配です。阪神淡路を経験された当時の若者たち。今30オーバーとか40手前ぐらいの方々が、すごく多くこちらで活動していただいています。
あの人たちにお話を聞くと、「恩返しだから」と言っていただける。でも、石巻や宮城の皆さんは、多少したかもしれないけど、ボランティアはそんなにしなかっただろうし、お金もそんなに与えていなかったはずなのに、彼らはこっちに一生懸命来て、「だって恩返しだから」って簡単に言うし、ニコニコしながら言うわけです。こいつら気持ちのいい人たちだなと思っていました。
僕たちはどうするんだろう、次起きたときに。誰かを助けに行けるんだろうか。助けに行けるだけの、課題解決の力を持っていけるのか。ただ行ったって、現地で食料を消費して帰ってくるという、一番やってはいけないボランティアをしてしまう。
それより、役に立つようになって行きたい。復興の現場で若者が成長するような機会を数多くつくることが、今の僕の仕事になっています。だから裏方の仕事というか、今は人材育成でそういうことをしているということです。
今年から始めることです。主に仙台にある大学さんと、仙台の行政の方々と一緒になって、新たなスキームを作って動かし始めます。大学生が地元の困っていそうな人なのかどうか分からないけど、取りあえず話を聞きに行って。話を聞いて、「それ面白い」と思ったら、それをゼミ活動とかインターン活動とか研究活動にしてやる、ということを大学が支える仕組みです。それを数年かけて作っていくのがこれからの僕の仕事になります。
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