6.僕なら子供たちの力になれる(2013年 TEDIC)

TEDIC

2013年6月11日 TEDIC 門馬優 Part6

東日本大震災後の石巻で教育系のNPOを立ち上げた門馬さん。子どものころに慣れ親しんだ石巻の惨状を見たショックを受けて数日間寝込んでいました。ようやく立ち直り、避難所を回って支援活動を始めましたところ、そこで子どもたちのショッキングな遊びを目にしました。それをきっかけに、子供を支援する活動に加わります。

「津波ゲーム」を見て思ったこと

津波ゲーム
子供がオセロを並べてやっていたことは

皆さんに考えてほしいのですが。これはその当時、ようやく回復して町を歩けるようになったときに、ある避難所で出会った子供たちとの1枚です。何かというと、パッと見オセロをやっている感じに見えると思うのですが。次の瞬間に、僕すごく驚きというか、目を覆いたくなるようなことになったのです。

予想がつく人はいますか。どうなったかというと、まずこの2人の男の子が、オセロをこう持ってお互いにぶつけ合うわけです。ガシャガシャガシャと。当然ぶつけ合うわけなので、オセロが盤の上からたくさんこぼれたりするわけです。しばらくして手が止まります。何をするかというと、数を数えるわけです。

白が何個、黒が何個。残ったほうが勝ちという、そういうゲームをやっていたのです。僕、結構びっくりして、「それはなんていうの? そのゲームは初めて聞いたから、何なの、教えてよ」と軽い乗りで聞いたんです。そしたら返ってきた答えが、「これ、津波ゲームっていうんだよ」と言われました。震災後から1カ月のことです。

このときすごい衝撃で。そういうことを吐露できたことがいいことなのか悪いことなのか、正直判断はつかないですけど、無邪気にそれを話していることが僕にとっては結構な衝撃でした。かなりグサッときたというか、ズシッときたというか、そういう経験をしました。

これをきっかけに、僕もかなりメンタルは弱いほうですけど、もともと教員になろうと思っていた人間の身ではあるので、何とか子供のために力になることができたらいいなと、「津波ゲーム」を見て少しずつ思っていったわけです。

ゴールデンウィークに子供たちと合宿をしました

ゴールデンウィーク合宿
子供たちとゴールデンウィーク合宿

僕が現地に行ったプロジェクトチームというのは、いろんなNPOさんやボランティアさんや企業さんが一緒に合同でチームを組んでいるところで、いろいろなことをやっていました。

避難所を回って「足りないものはないですか」というところもあれば、いわゆるスペシャルニーズといわれるような、災害弱者といわれるような、例えば、特定の薬がないと長く生きられない人や、外国籍の方でコミュニケーションが取れない人などのニーズを拾って専門家につなぐという活動だったり、単純に避難所の運営を手伝う活動だったり、いろいろしていました。

その中の一つに、子供たちを支援するという活動がありました。何をしたかというと、これはそのときの写真です。ゴールデンウィークに合宿をしました。

震災があって2カ月後、初めてのゴールデンウィークにお寺で合宿をしました。理由はすごくシンプルで、震災があっていろいろ大変だったとはいえ、やっぱり最初のゴールデンウィークぐらいは、子供たちに震災のことを忘れてもらいたいという、お母さんたちの話を聞いていたからです。

だったら、何かすごいものができるわけではないけど、ちょっと場所を借りて、そこで1泊2日とかで一緒にお泊まりをして遊ぶという、そんなことができたらいいのかなと思っての企画でした。

何をしたかというと、5月だったのに、なぜか支援物資でスイカがたくさん届いていたので、そのスイカを使ってスイカ割りをしたり。あと、花火を送ってきた人がいたりして、季節外れですがその花火をやったり。あとは単純に鬼ごっこをしたり。

夜は、当時全然お風呂に入れなかったのですが、開いているお風呂が登米市のほうにあって、そこへ行ってお風呂に入ったり。あと夕飯はみんなでバーベキューをする、というようなことをやっていました。

動画Part6(TEDIC 門馬優)

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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