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2013年7月23日 移動支援Rera 村島弘子 Part7
東日本大震災で一人のボランティアとしてReraに参加し、法人の代表にまでなった村島さん。震災による障害者、高齢者の死亡率がとても高く、その事実が送迎の車の中で聞く利用者さんの話とダブります。災害が弱者の命から先に奪っていく一方で、防潮堤といったインフラ整備ばかりに莫大な資金をかけることに問題を感じています。防潮堤より先に 、もっと弱者に寄り添った支援を考えることが必要だと指摘しています。
災害は弱者の命を先に奪います
これは、交通セミナーに昨年呼んでいただいたときに、知ったデータです。被災地における障害者の死亡率というものが、どんなものだったのかということを、NHKが調べていました。
総人口に対する死亡率は1.03であったのに対し、障害のある方の死亡率は2.06パーセントということで、2倍に上っていたそうです。なぜか宮城県は障害者の死亡率というのが、もっともっと大きくて、障害者の死者は、障害のない方に比べて4.25倍でした。調査時の死者数9470人のうち、1028人が、障害のある方だったということです。
同じく高齢者のデータです。これもその交通セミナーの時に、教えていただいたデータですけれども、ほんとに高齢者の方の、亡くなられた割合っていうのは、とっても高かったんです。
目の前の命を守ることから手をつけて欲しい
私たちの利用者さんの中にも、車の中で、その頃のこととか、いろいろ話してくださる方がいらっしゃいます。津波が来たけど逃げられないから、2階に逃げたんだとか。足の悪い自分を2階に逃がすために、奥さんが自分を持ち上げて、奥さんは間に合わなかったとか。寝たきりのお父さんが、自分を置いていけって言って、お父さんは亡くなられて、自分たちは生き残ったとか。
昨年末ですが、ちょっと大きい余震があって、避難の警報が鳴った時、そのあとで送迎した時には、足の悪いご夫婦が、警報の音を聞きながら、「私たちは足が悪くて、どこにも行けないから、津波が来たらベッドの上に逃げよう」って。そのおうちの中で一番高いところがベッドなんです。
やっぱりそういう部分で、高いお金かけて防潮堤作るのも大事だけれども、お金もかかるけど、そういうところをどうしたらいいかっていうことを、もっともっと真剣に考えたほうがいいと思います。今ここでお話を聞いてくださっている、まだ頭の柔軟な若い方たちが、このあと、そういうところで、いろんなことを考えてくれたり、動いてくれたりしてくれたらいいのかな、素敵だなって私は思います。
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