もくじ
2013年7月9日 プロジェクト結 長尾彰Part8
長尾さんの呼びかけで集まったプロジェクト結は、本業のある人たちが運営に関与しているため、何をするにしても熟議によって意思決定をしています。支援活動についても、多様なメンバーが多様なスキルを持ち寄っているため、できることは色々あります。しかし、自分たちがやりたいことをするのではなく、被災者から頼まれたこと、お願いされたこと以外はやらないことを基本にしています。
いつでも、どこでも、やりたい人ができる環境です
おとといは東京で運営会議がありました。プロジェクト結は固定した事務所を持っていません。石巻には宿泊所兼事務所を日和山に借りていますが、東京では固定した事務所がありません。郵便物を送るための事務所はあるのですが、固定した会議室を持っているわけではないです。
スタッフの一人が勤めている会社の会議室をこのときはお借りして、ミーティングをしています。副理事長はワシントンDCにいるので、このときはワシントン時間で夜中の1時ぐらいだったのですが、スカイプで関わってくれています。こんな雰囲気でやっていますという映像です。
プロジェクト結で大事にしていること。組織運営をする上で大事にしていることです。「徹底した熟議」。みんなで話し合うということを何よりも大事にします。僕は立場上理事長ですけど、何の権限もないです。理事長だから何か特別なことができるかといったら、全く何もできません。
例えば、1万円以上の物を買うときも、僕は買えないのです。勝手に物が買えないし、全部みんなにお伺いを立てて、みんなで納得をしてから熟議をした上で意思決定をすることを大事にしています。「やりたい人が、できることを、できるだけ」というキーワード、これも大事にしています。
「出はいり自由」。プロボノですから、当然昼間の本業が忙しくなる人もいます。繁忙期、仕事がとても忙しくなる時期がある人がいます。そういうときはいったんお休みをして、時間ができたらすぐにまた戻ってこられるようにしています。一度いなくなってしまったら、バイバイ、さよならじゃなくて、ちょっとお休みをして、また2カ月後に戻ってくるね、ということがしやすい環境づくりにすごく力を入れています。
誰でも出はいりが自由です。やめるのも、やめないのも、続けるのも、続けないのも、自分で決めてください。自分で決めていただいたことは百パーセント尊重します、というスタンスで組織を運営しています。
やりたいことより、必要とされていることしかやりません
「シーズよりニーズ」。シーズというのは、私たちがやりたいこと。プロジェクト結がやりたいこと。ニーズというのは、被災された方、あるいは困っている方がしてほしいこと。シーズというのは種のことです。私たちができること、やりたいこと。ニーズは、してほしいこと。シーズよりもニーズ。私たちがしたいことより、被災された方がしてほしいこと。簡単に言うと、われわれはお願いされたことだけやるというスタンスを大事にしています。
子供たちの教育・支援・サポートをしたいと。こういうこともできる、こういうこともできる、こういうこともできる。あれだけ賛同団体があって、あれだけ賛同者がいるから、いろんなことができます。いろんなことがやりたくなります。でも、大事なのはお願いされたことをすること。これを大事にしています。
シーズよりニーズ、頼まれたことをやる。この2年半、石巻でプロジェクト結として活動していて、プロジェクト結の主催事業というか、われわれがやりたくてやったことは4個しかないです。スポーツ鬼ごっこ大会、ティーボール大会、かけっこ教室、グランドで遊ぼう、という4つの企画しかこの2年半で主催事業としてはやっていません。あとは全部頼まれたこと、お願いされたこと。ニーズがあるものしかやっていません。
「トップダウンでもなく、ボトムアップでもなく」というのは、少し難しい言葉ですが、ホールシステムアプローチという言葉があります。僕は理事長です。理事長なので、一番偉い。一番偉い人がみんなに指示をする。指示された人は動く。これはトップダウンです。みんなが意見を出してくれたものを、トップである私が最終的に決める。これがボトムアップ。トップダウンでもなくて、ボトムアップでもなくて、みんなで話し合って決めるということを大事にしています。1番目の「徹底した熟議」ということに通じています。
「緩やかなネットワーク」とあります。「出はいり自由」と関連しています。賛同団体もとても緩やかなネットワークでつながっています。賛同団体も含めて「やりたい人ができることをできるだけ」ということを大事にしています。
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