4.やりたい人が、できることを、できるだけ(2013年プロジェクト結)

プロジェクト結

2013年7月9日 プロジェクト結 長尾彰Part4

普段はチームビルディングを仕事にしている長尾さん。本業を持っている人たちが、それぞれに専門的なスキルを持ち寄って復興支援活動に取り組む、プロボノ集団「プロジェクト結」を設立しました。そこでは「やりたい人が、できることを、できるだけ」を合言葉に、チームの力で被災地のニーズに則した活動を実施しています。

他者の力を借りて活動をレベルアップしました

賛助団体リスト(読めませんが)

賛同者一人一人の力だと限界がありますから、団体にも協力をしてもらおうということで、いま全部で74だったか協力団体を集めました。青森県の横浜町という所の教育委員会であったり、秋田県由利本荘の教育委員会であったり、行政も賛同団体に名前を連ねているのは珍しいかもしれないです。

皆さんが知っていそうな会社はありますか。近畿日本ツーリストとかソニーとか、IBMやケンタッキーとかもあります。日本電気というのはNECのことです。マイクロソフトとか、博報堂とか、バンダイナムコとか。これも全部知り合いの知り合いがそこにいたので、お願いをしに行って名前を連ねてもらったという感じです。

何か「プロジェクト結でこういうことをしてください」と誰かに頼まれたときに、できないことも当然あるわけです。そのときにはこういった賛同団体に声を掛けて協力を仰ぎます。例えば、とある小学校から「サッカーボールを200個欲しいです」と言われたときには、200個買うお金がないので、バンダイにお願いをして「おもちゃのサッカーボールを200個ください」とお願いをしたり、そんなことをしています。

オブザーバーというかたちで、文部科学省が協力をしてくれています。オブザーバーで文部科学省は何をしているかというと、文部科学省が積極的に何かを協力するというよりも、情報提供をしてくれます。「今後こういう方針で、こんな復興教育をしていきますよ」とか、「こういう委託事業を国がやろうとしていますよ」とか、「こういう助成金が出ていますよ」とか、こういう情報を文部科学省がくれる。そういう情報のやりとりをしていたりします。

本業の専門性を活かして協力をしてもらっています

長尾彰

「プロジェクト結」の後に実は、プロジェクト結「コンソーシアム」という名称が付いています。正式な名称は、「プロジェクト結コンソーシアム」なんですが、コンソーシアムという名前を付けたのにも意味があります。これはウィキペディアから引用したものですが、「ラテン語で提携や共同や団体を意味する」とあります。

「同志」とここにあります。志を同じくする人たちの集まり。緩やかな連携をしていきながら、でも、共通の目的に向かって進む同志ということです。あれだけの数の賛同団体が同志として活動できるような、という意味で、この「コンソーシアム」という名前を後ろに付け足しました。

プロジェクト結の合言葉があります。「やりたい人が、できることを、できるだけ」という、そんな合言葉があります。あくまでもやりたい人がボランタリーに、できることを、その人の持っている専門性を発揮することです。

この「できるだけ」というのが、すごく人によって解釈が違うので面白いところなのですが。できるだけというのは、僕個人は「限界以上」ということです。ある人は、できるだけというと「自分のできる範囲の中で」と考える人もいます。もちろんそれもオーケー。でも、僕の「できるだけ」は、できるだけです。「やりたい人が、できることを、できるだけ」という合言葉で普段からやっています。

プロボノチームで復興支援に取り組む

プロジェクト結の特徴の一つ、構造ですが、「プロボノ」で運営をしています。「プロボノ」という言葉もあまり聞き慣れないかもしれません。簡単に言うと、本業を持っている人が、本業でいつも使っている技術で、プロジェクト結の活動に貢献するということです。

プロボノ

例えば、先ほど理事の面々の名前が並んでいました。ソニーにお勤めの方はソニーの広報部にいます。ソニーの広報をしているので、プロジェクト結の広報もしてもらいます。普段自分がやっている仕事の専門性を生かして、プロジェクト結の広報もしてくれています。ボランティアだから草取りをするということではなくて、普段やっている自分の専門性を生かしてもらいます。

顧問弁護士もいます。まさに法律に携わる職業の人々が無報酬で、プロジェクト結の弁護士をしてくれています。ITの会社に勤めている人は、普段からITの仕事、システムをつくる仕事をしているので、プロジェクト結のウェブサイトを作ったり、ITシステム周りのことをしてくれています。ある人は厚労省の役人をしています。その人は国の制度とか、法律的に問題がないかどうかとか、自治体への連絡をするという情報提供や、役人だからこそできることをやってくれています。みんな本業を抱えています。

今、東京で活動している人間が40人ぐらい。それから、この石巻で活動している「現地班」と呼ばれている人が、今は5~6人います。それ以外に、この石巻の現地の方でお手伝いいただいている方が全部で20人ぐらい。そんなかたちで活動しています。

動画Part4(プロジェクト結 長尾彰)

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

関連記事

団体別インデックス

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


最近の記事

  1. 12.東北で手仕事のタネを育てたい

  2. 11.笑顔の最大化がゴールです

  3. 10.OCICAが切り開いた外の世界

  4. 9.売るためにはデザインが鍵だった

  5. 8.鹿のツノでものづくりをしよう

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

TOP
CLOSE
Translate »