10.何のために、何をするのか(2013年プロジェクト結)

プロジェクト結

2013年7月9日 プロジェクト結 長尾彰Part10

長尾さんはプロジェクト結の理事長として、プロボノによる復興支援を続けてきました。活動を始めてから、2年半の間、柔軟な組織運営を続けるなかで、チームづくりで大事なことを学んできました。大切なことは「何のために何をするのか」という目的と、それを「どこまですればいいのか」という指標をチームメンバーと共有することです。

チームづくりで大事なことは目的の共有です

長尾彰

理事長という立場で、一応経営者という、リーダーという立場で大事にしていること。これから皆さんがもし何かボランティアの団体、会社でも何でもいいです、自分で起業して仕事をする、自分の組織をつくる、学生団体でも同じ、サークルでも同じ、何か自分のチームをつくったときに大事にしたほうがいいことです。僕が2年半この活動をしてきて、だんだん分かってきたことです。

最初に大事にしていること。目的の共有です。何のためにそれをするかということを、みんなにきちんと理解してもらうこと。この復興ボランティア学という授業そのものは、何のためにやっていますか。あなたはこの授業を何のために受講していますか。これをきちんと共有して、みんなで話し合って理解をしておきましょう。

では、「何のために」を実現するために何をすればいいのか。どこまですればいいのか。目標と指標とがあります。目標は、「何のために」という目的の、もう一段階下の「何をするのか」という話です。「子供たちの学びと遊びの支援をするために」というのが目的です。そして「学校サポートセンターと、結いのいえと、みんなの場の運営をする」というのが「何をするのか」という目標です。

具体的にどこまですればいいのか共有する

プロボノマネジメント
プロボノ組織のマネジメント1

指標の共有とあります。どこまですればいいのか。例えば結のいえだったら、今1カ所目が中里にできました。この夏、8月をめどに吉野町で2カ所目をオープンさせます。まずは2カ所やる。「どこまで」、結いのいえは2カ所、それからみんなの場は一日最低5カ所でやりたいという、そんな指標の共有をします。

ちょっと大学の授業っぽくなるかもしれませんが、KGIとKPIという言葉があります。KGIはKey Goal Indicatorの略です。KPIはKey Performance Indicatorの略です。バランス・スコアカードという経営手法があります。

ロバート・キャプランという人たちが主になって開発した経営手法ですが、その中で取り上げられる2つのキーワードがあります。「指標をみんなで共有すること」。42.195kmを走りましょう。何のために。健康になるために。何をするのか。マラソンをしましょう。どこまですればいいのか。42.195kmを走りましょうとなります。

でもそれだけでは足りなくて、42.195kmを5時間で走りましょうという目標をつくったりします。42.195kmを5時間で走るためには、折り返し地点の21kmを2時間半で通過しなければいけません。21km地点を2時間半で通過するということは、11km地点を1時間10分ぐらいで走り抜けなければいけないですね。11kmを1時間10分で走るということは、6kmをだいたい40分ぐらいで走らなければいけない。

そのぐらいのペースで走らないと、42.195kmを5時間切ることはできないよねという。どの地点を何分に通過するかというのが、指標と呼ばれています。これはKGIとKPIと呼ばれています。KGI・KPIの言葉の説明をここですると時間がかかってしまうので、検索をしてみてください。たくさん出てきます。

目標に対して今どこにいるのか、何をもってそれができたとするかという指標のことを、KGI(重要目標達成指標)とか、KPIと言ったりします。これは何のためにやっているのか、何をするのか、どこまですればいいのかということを、チームのメンバーと共有することを大事にしています。

動画Part10( プロジェクト結 長尾彰)

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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