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2013年6月18日 にじいろクレヨン 柴田滋紀 Part5
東日本大震災後、子供たちの心のケアをするため「にじいろクレヨン」の活動を始めた柴田さん。震災は大人だけでなく、子供たちの心にも大きな影響を残しました。にじいろクレヨンは遊び場づくりという活動を通して、震災で傷ついた子供たちのケアを続けています。
子供たちも震災でさまざまなショックを受けました
3番目にいきます。石巻の今の子供たちについて。どういう震災後の影響があったのかというお話しをします。これは避難所で、お医者さんや看護師さんが健康診断をやったときの結果です。まだ震災後すぐのころの結果ですが、親にくっついて離れなかったり、おびえたりという症状があったそうです。親御さんのほうは、イライラしたり、怒りっぽくなったり、不安だったりというのが顕著に見られたそうです。
PTSDって皆さん聞いたことがあると思います。心的外傷後ストレス障害といって、夜泣きをしたり、感情がなくなってしまったり、いろいろなかたちで発症をします。なんらかのショックを受けたときに、すぐに出るのではなくて1年後とか2年後に発症します。時と場合によっては10年後とか20年後に発症することもあるそうです。いわゆる「トラウマ」のことです。これがあるというのを、まず覚えておいてください。
子供たちが今回の震災でどういう目に遭ったかというと、津波で流されたけど助かった子供もいれば、目の前で家族を亡くしてしまった子もいれば、親と1週間会えなかったり、ずっと避難所で独りぼっちだったりということがありました。それから、あとは転校とか、引っ越しとか、家をなくしたことによる喪失感だったり、さまざまな出来事が、ショックを受けたことがたくさんありました。
そのようなショックを受けたあとに、子供たちはどういう反応を示すかというのがこの4つです。愛着を求めたり、感情を忘れようとしたり。「遊びの中で手に負える出来事に変換する」というのは、津波ごっこをしたり、地震ごっこをしたり、「ごっこ遊び」をするそうです。あとは心の症状を出したりして、ここまでは当たり前の反応だそうです。
震災のショックから子供たちを癒す活動をしています
その当たり前の反応を子供たち、要は、乱暴したりもそういう反応の一つだと思うのですが、そういう反応をしたときに子供たちには支援が必要になる。どういうことが支援になるかというと、安心・安全な環境をつくってあげたり、日常生活を立て直したり、活動の機会を提供、感情を出せる配慮、ということで4つあると。
この4つのことをきちんとやっておくと、さっき言ったPTSDにならないで済むのだそうです。きちんと支援をしてあげると、子供は、大人もそうなんですけれども、PTSDにならないで済むのだそうです。
直接的にはなかなかできないですが、にじいろクレヨンは、ここを何とかできるようにサポートできればという思いでやっています。まず安心・安全を第一に子供を守りましょうということや、1週間に1回定期的に遊び場をすることが子供たちにとって生活リズムを生みます。それによって、子供の日常生活が保たれてくるようになります。
活動の機会の提供は、思い切り遊んでもらうということです。そして感情を出せる配慮として、泣こうが騒ごうが、けんかして「やー」となって泣いていても、「おお、泣け泣け泣け」という感じでやらせています。できる限り持っているものを出してもらうように、われわれは今やっています。そこが行動指針になっていて、ここに書いているようなことをやっています。
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