3.会社の制止を振り切って被災地へ(2013年 め組JAPAN)

め組JAPAN

2013年7月13日 め組JAPAN 河野心太郎 Part3

東日本大震災の被害を見て、災害ボランティアの経験もないのに、会社を辞めて被災地へ飛び込んだ河野さん。「てんつくマン」という人のメルマガで出会った言葉に突き動かされて、埼玉の支援物資の集積所でボランティアを始めます。それでも現地へ行きたい衝動を抑え切れず、上司の制止を振り切って被災地ボランティアへ飛び込みます。

自分でやれることから、やってみよう

関根エンタープライズでボランティア
関根エンタープライズでボランティア

当時、メルマガの中で、てんつくマンはこういったことを言っていました。「思うだけ、考えるだけ、語るだけ、祈るだけではなく、動くこと」これを見たとき、ほんとに、その時までは自分のことしか見えていないと思いました。ほんと「どうなるの」「どうしよう」みたいな、時だったんです。

てんつくマンは3月16日には、仲間たちと現地入りして、いろんな活動をしてたんです。テレビとか情報では、全然出回っていないようなことだったり、実際にその場に行ってみないとわからない。まずは動くこと、動けば変わるっていうことを、ずっと言っている人なので、まず自が動いて、そこから情報を発信するというようなことを、当時していました。

そのメルマガ見ている時に、自分の中で、なんと言うか、今までの価値観にはなかったような、今までボランティアをやった経験もなかったので、そういった考えがなかったんです。そこまで他人のことに興味がなかったような人なんです。

だから、てんつくマンという人を見た時に「なんだこの人は」っていうか、「ああ、こんな考え方があるんだ」、「こんなことを、こんな動きができるんだ」って衝撃を受けました。それから、まずは自分でやれることっていうことをやってみようと思って、動き出しました。

メルマガで見たのは、てんつくマンとか、大嶋啓介さんとかが、日本全国の運送会社をつないで、九州、関西、中部、あとは関東、東北とつないで、支援物資を各場所で徐々に集めて、東北に物資を送るという仕組みをつくったんです。

運送会社って、行きは荷物を積んでいくけど、帰りは空で帰ってきたりとかするんです。その空で帰ってくる時に、その拠点に集まった支援物資を積んで、東北へ支援物資を送るシステムをつくっていました。それをみて、僕は埼玉にいたので、埼玉でも2ヵ所、そういった拠点があったんです。何かできないかなって思って、拠点の関根エンタープライズさんっていうところに、電話をして「何かお手伝いできることありますか?」って聞きました。

その当時、呼びかけたら支援物資が、すごいたくさん集まるので、その支援物資をそのまま東北に持って行ってしまうと、東北がすごく大変なことになってしまうと。ダンボールを開けると、中にいろんな物が混在しているんです。だから東北に行った時に、必要な物を必要な所に届けないといけない。その仕分けをしないといけないから、二度手間になるんです。

しかも、人も全然いない状態でした。だから、東北に運ぶ前に、自分たちにできることとして、仕分け作業をされていたんです。その人出が足りないから、ぜひ手伝ってほしいと言われました。その仕分け作業を3日間くらい、初めてボランティアに参加しました。

「いま動かないと!」衝動に駆られて被災地へ

河野心太郞

その仕分けに参加している間、今度はメルマガの中で、現地お手伝いのスタッフの登録が始まったんです。募集がかかったんです。いつかは現地にも行けたらいいなっていうことで、とりあえず登録をしたんです。

3月20日に登録をしたんですけど、登録をしたら、その次の日、3月21日の朝に、MAKE THE HEAVENからメールがあったんです。「今日の夜、京都から東北に入る便があるんですけど、それに乗れませんか?」っていうメールでした。

「今日っすか?」みたいな。何も準備もしてないし、何も心の準備さえもできてないし、ただ登録したら次の日にもう来たんで、「えー、どうしようかな」って思ったんので、一回上司に、ちょっと相談してみました。上司にボランティア行きたいんですけどって言ったら、その時は、動くなって言われたんです。

うちの会社は福島県の猪苗代の会社なので、うちの会社も被災しているので、少し今はじっとしといて、ちょっと落ち着いたら、お客さん回りとか、福島にお客さんを取り戻す、呼び戻すっていうのが、自分たちが会社ができる復興だって言われたんです。まあでも、確かにそうだなと思って、一旦電話切ったんです。切った後に、MAKE THE HEAVENに電話をして、なぜか「行きます」というふうに言ったんです。

やっぱりその時、自分の中では違うなと思ったんです。違うなって言ったらおかしいんですけど、てんつくマンとかのメルマガを見て、動かないと、まず今、ほんとに今なんですよね。それを見ていたので、いま動かないと意味ないでしょ、みたいな感じだったんです。急いで準備をして、その日の夜、また上司に連絡して、今日出発しますっていうことだけ伝えて、飛び出してきた感じで、ボランティアに参加しました。

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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