もくじ
2013年6月4日 石巻ふるさと復興協議会 西本健太朗Part8
震災後、関西から石巻へ来て、仮設住宅の支援活動をしていた西本さん。石巻ふるさと復興協議会での役割を終えて、新しい団体へ移籍します。そこでも仮設住宅への関わりは続きます。こんどは復興応援隊として、仮設住宅の自治会の連合組織のお手伝いを担うことになりました。
自治組織の連携が自立を促進する
先ほどの、自助とか互助を表した活動をしている組織として、いま僕がお手伝いしている、仮設住宅自治連合推進会さんがあります。
ざっと説明すると、石巻市内の仮設住宅の自治会同士が連携して、市役所さん、社協さん、警察さん、消防さん、公的機関であるとか、いま僕が所属しているみらいサポート石巻とかの支援団体と一緒に、住民と行政と支援者が一緒になって構成する組織です。メインが住民さんなので、住民団体ということですが、略して「自治連」と呼んでいます。
できた経緯ですが、仮設住民の安心安全な住みよい環境づくりと、仮設の暮らしを少しでも楽にということで、2011年12月9日に発足をしました。名前は少し変わったりもしていますが、始まりは2011年末でした。このあいだ総会があった5月17日現在で、石巻市内に134団地の全部で7153戸仮設住宅があります。そのうちの36団地が参加しています。
団地数としては少なく見えるかもしれませんが、戸数でいうと3,852戸です。半数以上の団地というか、住民さんをカバーしている自治会が加盟しています。これは1団地で10軒の団地もありますし、500軒の団地もあるのですが、大きな団地はだいたい加盟してくださっていて、戸数としては半数以上となっています。
自治連は仮設住宅支援の調整役として機能しています
何をしているのかということですが、石巻市内は広すぎるので、4つ支部を分けて支部会というのをやっています。支部会で各団地の会長さんに集まっていただいて、課題とか要望とか、団地でこういうトラブルが起きているとか、行政さんに「こういうところ困っているからやってほしい」というような要望をまとめます。そのあとに代表というか、支部長さんとかが、実際に行政と「俺たち住民側はこれぐらい頑張ってみるから、行政さんはこっちをお願い」というような協議とか、課題の解決に向けて連携するとか、そういうものをやっています。
この写真は4月の支部会で、これは渡波の団地なのですが、会長さん同士で集まって。時には声を荒げることもあったりしますけど、いろいろな話し合いをしています。そこで出てきた情報をまとめて、『自治連だより』というのを作っています。これはあまり広い範囲ではやっていないので、もう少しできればいいのですが、各団地の現状や行政の方針をまとめて、各団地の会長さんとかが、できるだけ団地に配るということで、情報の発信をするようにしています。
3点目に窓口機能ということです。いろいろな支援の申し出とか、例えば東京のなどから、「演奏の慰問で訪れたいのだけれど、どこかやる団地はない?」とか聞かれることが結構あります。そういう支援の申し出を必要な団地につなぐという調整役をやっています。普通に考えると、皆さんが今から、例えば「牡鹿の団地で支援をやってください」と言われても、何をしていいか、誰に聞いていいか、どの団地でやっていいか、全然分からないと思います。そういったことは被災県外や離れた所だと当然あります。
支援の話が社協さんとか市役所のほうに来たときに、例えば「こういう話があるけれども、自治連さん何かできそうな団地を知らない?」ということで相談が来たり、直接自治連のほうに来たり、ということがあります。こういうのを適切な団地に、先ほど申し上げたように、必要のないところに支援をしても「ひずみ」が、出てきてしまうので、窓口機能としてはそういう調整というか、適切な場所に支援が行くように気をつけています。
最後ですが、たまにスポーツ大会とかカラオケ歌合戦とか、そういう仮設の住民さん同士でつながれるようなイベントを自治連の主催としてやっています。歌合戦は市報にも取り上げていただいて、「石巻仮設団地対抗カラオケ歌合戦」ということで、1月か2月ぐらいに河南の遊楽館でやったやつです。
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