もくじ
2013年6月4日 石巻ふるさと復興協議会 西本健太朗Part7
震災後、関西から石巻へ来て、仮設住宅の支援活動をしていた西本さん。東日本大震災の復興支援活動のなかで、被災者が自分でできることもやらなくなってしまうような、過剰な支援が被災者の方たちの自立を妨げているのでは、という疑問を持ちます。そこで、被災者の自立について自分なりの答えを見出します。
復興支援場面における「自立」について考えました
活動についてだいたい紹介差し上げたのですが。活動のポイントとして、今までやってきて思ったことをお伝えできればと思います。これからボランティアにかかわってみるとか、既に少しやっている方もいるかもしれませんが、活動の目的とか軸が定まっていないとどこかで分からなくなってきます。
「何のためにやっているんだっけ?」と思うことがあるので、そこを常に意識しておくのが大事かなと思います。僕たちも復興支援ということで、今やっている活動は、完全にイコールではないかもしれませんが、僕自身は被災された方々の自立をサポートするためにやって来ていると考えています。
「自立、自立」とよく言いますが、じゃあ、自立とはどういうことかというのが分からなくなるので、これも考えてみました。一応、「復興支援の場面における」というか、「災害時、非常時」というか、そういう場面での自立ということを考えてみました。
自立とは何かというと、すぐ思い付いたのがこの3つぐらいです。肉体的自立、経済的自立、精神的自立。いろいろあると思うのですが、肉体的に自立できていない、難しいという方は、例えば介護が必要であったり、身体に障害を持たれている方とか、そういうことなのかなと思います。経済的というのは、もちろん就労であったり、お金がなくて生活保護を受けていらっしゃるということかなと思います。
こういうものは平時、通常時では、介護だとかいろいろな場面で社会的弱者の方を支えるNPOさんとかも、もちろん尽力されていると思うのですが、復興支援とか非常時となると、いわゆる公序といわれるような、行政が請け負わなければいけない部分なのかなと思います。
地域全体が被災して、NPOも動きが取れない状態になったときに、動くべきはやはり国やそこの行政になるのかなと思います。精神的自立という面では、NPOとかが、支援として関われるのではないかと思います。
被災していても、できることは自分たちでやってください
そうなると精神的自立とは何かということになるのですが。これは僕の中のすごく簡単な言葉で思うのは、「できることは自分とか自分たちでやる」というのが、精神的に自立しているということだと思います。
いわゆる公助ではなく、自助とか互助。「お互いに」「自分たち」ということだと互助だと思うのです。自助意識とかそういうものだと思います。これは単純に「全部自分でやれ」ということではなくて、できないことがあるのは仕方ないです。
ただ、できることがあるのにやらない。「被災したから行政が全部やれ」ということ。できることもやらないで、人に頼むことをずっと続けていること。ボランティアの方々は「支援をしたい」「とにかく少しでも助けになれば」といろいろなことをされていると思うのですが、必要のないことまでやってしまう。
例えば自分の部屋の掃除を全然関係ない人にやってもらうことって、普通はあり得ないことですよね。そういうことだと思います。それを当たり前のようにいろいろな人にやってもらっていたら、やっぱりどこかで麻痺してくると思います。
ですので、やっぱり復興支援という目線で考えると、自助、自分たちでやれることはやっていただくのをサポートするのが必要かなと思います。自助を促進するというのももちろんですし、どうしても難しい、できないという部分を、NPOとかボランティアをする支援者がサポートすべきと思います。
コメント