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2013年6月4日 石巻ふるさと復興協議会 西本健太朗Part6
震災後、関西から石巻へ来て、仮設住宅の支援活動をしていた西本さん。石巻ふるさと復興協議会では、コミュニティ形成支援の他にも、生活不活発病の予防活動にも携わります。狭い仮設住宅に引きこもりがちで、運動の機会が少ない住民さんの外出を促し、屋外で楽しく体を動かせるイベントを開催していました。
生活不活発病予防に体を動かす機会をつくりました
仮設住宅にいると部屋もすごく狭いですし、あまり知り合いもいなくて出歩かないということがあります。生活不活発病というのがよく言われていて、耳にしたことがあるかもしれません。要は、全然運動しなくなって、身体機能が落ちてしまうことです。
もともと母体がスポーツ振興のNPOだったということもあって、ウォーキングをやっていました。左は馬っこ山、この大学の周辺です。グルッと一周して結構あります。一周すると6㎞ぐらいあるのですが、おじいちゃんおばあちゃんが参加して、すごく頑張って歩いていました。「この草は何々だ」とか、「この花は」とかみんなで言い合いながら歩いて、すごく楽しそうにしていました。
右の写真は道の駅の「上品の郷」です。すぐそこの開成からみんなで歩きました。けっこう遠いように思うかもしれませんけど、意外と1時間半ぐらいで歩けます。参加者の服装からして冬なのですが、寒くてもみんな出てきて、散歩とかウォーキングとかが好きな人は結構いて、そういうのが趣味な人だと常連にもなります。友達も連れてきて運動するきっかけにもなるので、単純ですけど、定期的にやることで意味が出てくる、効果が出てくるイベントかなと思います。
たまには遠出をして住民さんのリフレッシュの機会を
バスツアー。左の写真は、登米市の平筒沼という所に花見に行きました。2012年の4月末にやりました。2011年は皆さん被災されて花見もできなかったから、今年はどこかきれいな所を見にいきたいという声を聞いて、「じゃあ、バス出してみんなで行きましょうか」ということでやりました。
これは50名ぐらい参加されて、最初はバス1台だけで25名ぐらいで行く予定だったのが、参加者が増えて、急きょ2台用意して行きました。満足度もすごく高かったです。やはり仮設にいると、無機質な物置じゃないですけれども、ああいう建物、プレハブとかに住んでいて気が滅入るという声があったので、仮設から出掛けてしまおうということにしました。たまに遠出しすることが、リフレッシュするいい機会になると実施して感じました。
右の写真は、2012年の夏ごろです。栗原市で盆踊りがあるので、みんなで見にいきましょうというのをやりました。これも同じように50人ぐらい集まりました。途中の長沼で、ハスの花がきれいに咲いていたので、みんなでボートに乗って見ているところです。
これも実施して、花見も、盆踊りも「来年もぜひやってほしい」とか、「すごく楽しかった」という声がたくさん聞かれました。普段、僕たちがやっていたイベントには来ない方も出てくるということで。やっぱり特別な行事をやる意味は、効果が高いと思いました。
住民さんだけでなく、支援者のつながりも大切です
開成ネットワーク会議というのをやっていました。2011年10月と書いていますけれども、開成と南境、この専修大周辺の団地だけでも21団地あって、4,600名ぐらいの方が住まれています。4,600人を一つの団体で把握できるかとか、各団地の状況が分かるかというと、全然分からなくて。困った結果、いろいろな団体が活動しているから、声を掛けて一緒に情報交換しましょうというので、僕が知っている団体さんに取りあえず声を掛けました。
これは、この大学の2021教室かと思います。今は定期開催として、大学さんと山崎ゼミさんにご協力をいただいて、今も開催が続いています。来週もまたあります。やはり情報交換とか意見交換とか、自分たちが把握しきれない範囲のことをほかのところでやっている方に聞くこともすごく意味があります。
さらに各団体同士が顔を合わせることで、顔を見知った関係になることができます。すると何か困ったときや思い当たったときに、すぐ電話をかけて「こういうのがあるんだけど頼めない?」というような連携関係も、やっぱり顔を合わせているからこそできるというのがあります。なので、ニーズもあってずっと続いているということです。
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