3.大学を卒業し、間もなく被災地へ(2013年 石巻ふるさと復興協議会)

石巻ふるさと復興協議会

2013年6月4日 石巻ふるさと復興協議会西本健太朗Part3

震災後に関西から石巻へ来て、仮設住宅の支援活動をしていた西本さん。東日本大震災の惨状をテレビで見て、さっそく神戸で募金活動を始めました。そして大学の卒業を待って、現地での災害支援活動に参加します。そこでは、南三陸から石巻まで、避難所を回って聞き取りをする日々が続きました。

現地には行けなかったので募金活動を始めました

2011年3月11日

大学の卒業の時点で2011年の3月でした。震災が起きたとき、僕は神戸のアパートにいました。神戸でもすごくゆらゆら長い揺れを感じて、テレビをつけてびっくりしました。それから半日ぐらいずっとテレビの前から動けずに、映像を見ているしかできなかったという感じでした。

ただテレビの前で何もできない、見ているしかできないというのが個人的にはすごく悔しくて。離れた土地では何もできないということに、悔しさを覚えました。同時に、何かしなければいけないという思いというか、衝動というか。これは自分がやらなければいけないと強く感じました。

その後何をしたかというと、すぐに現地へ行くのが無理だったので、まずは神戸で募金活動をしました。当時は、募金を入れてくださるのも基本1,000円札以上がほとんどだったのです。5,000円とか1万円とかもあったりして、熱い思いを感じていました。

募金活動をしていて、あるおっちゃんがお金を入れながら「神戸がほかの街より少なかったら、あのとき助けてもらった俺らの街が、ほかの街より募金額が少なかったら恥ずかしいからな」とお札を入れてくださったのを今でも覚えています。つながりというか熱い思いを感じて、現地で活動したいという思いが募ったというのがあります。僕は3月25日に卒業してから、28日に大阪を出発して、29日に宮城に入りました。

被災者の聞き取り活動から避難所のお手伝いへと役割が変わりました

湊小学校

活動は何をしていたかといいますと、2011年3月末から4月にかけて、行政の方々も被災をして全く現状がつかめていないことが分かっていました。なので宮城県内の各避難所を回って、どういう状況にあるのか聞き取り調査をして、その情報を行政にお渡ししましょうということをしていました。

この写真は3月30日か31日ぐらいだったと思いますが、南三陸のベイサイドアリーナです。このときも、通路の端っこに普通に人が寝ていたりして、本当にただ事でないというのを、現地に来てやっと感じました。これは雄勝(石巻市)のほうだったと思います。同じような時期に雄勝にも行きました。皆さん、映像はいろいろなところで目にしているかと思いますが、そういう状況だったということです。

4月一杯で、そういう活動が一区切りになって、5、6、7月と3カ月ぐらい各避難所の聞き取りをしていました。避難所ではリーダー役の方が一人で孤軍奮闘して、何とか頑張っていても、リーダーの方にすごく負担がかかって、疲れてきているのが見えました。そういった、避難所の本部の立場の方々の補助をやりましょうということで、そこで初めて石巻の担当ということになりました。

これは湊小学校の体育館です。体育館でボランティアの方々と住民さんが一緒に「たまにはみんなで食事をしよう」ということで集まって食べていたときです。この写真は、左のほうに「湊小学校診療……」ぐらいまでは見えると思うのですが。電光掲示板を企業の方に支援していただきました。LEDなので、電気代が月何十円とかで安く使えました。

避難所にはいろいろな支援が来たり、赤十字の方がいらっしゃったりして、診療の機能や物資が集まっていました。でも周囲の在宅避難をされている方々が、そういう恩恵というか支援を享受できないという状況にあったので、それを地域に広めていきましょうということで、こういう掲示もやりました。電光掲示板のデータ打ち込みとか、そういう少し面倒くさそうな作業というか、手の届かなそうなところをさせていただいていました。

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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