11.質の高い「ひな形」をつくる

日本カーシェアリング協会

東日本大震災によって多くの住民が車を失った石巻で、カーシェアリング活動を展開している吉澤さん。車をどんどん届けていく中で、活動も多様化していきました。しかし、本来の目的はあくまでも「ひな形」をつくることなので、カーシェアリングの質を高めることを意識しています。

2013年7月30日 日本カーシェアリング協会 吉澤武彦Part11

車の数よりも活動の質を高めることに関心があります

どんどん車を届けていく中で、カーシェアリングにいろんな多様性が生まれてきました。天ぷら油で走る車「てんぷらカー」ができました。すごいですよ。天ぷら油をこしただけで、走るんですよ。

あと、被災された方々だけではなくて、支援団体とか、支援をしている個人の方向けのカーシェアリングも始めました。前回この講座の講師をされていたReraさんでは、今僕らの車を3台活用されています。だからReraさんのロゴと僕らのキャラクターが一緒に貼ってある車が時々、石巻を走っていたら見かけるかと思います。

車を50台とか60台ぐらい届けているのですが、僕らの関心は、ボリュームにはあんまりないんです。それよりも、質を大切にしたいと思っているんです。あくまで僕らが目指しているのはひな型だからです。

だから、カーシェアリングやっている人たちに、自分たちのカーシェアリングを、紹介、応募してもらって、その中から僕らが「この車はすごくその地域に貢献している」とか、「意味のある質の高いカーシェアリングやっている」というところを選んで、インターネットでその活動を紹介して、寄付を募って、車の経費にあてるという、カーシェアリングの質を評価して、応援するような活動もやり始めました。

上手くやっている所、やる気のあるところをドンドン応援していって、その取り組みを他の所にも伝え、全体のレベルを高めていくという方法をとっています。

移動という切り口から他団体の活動にも協力しています

あと、住民同士の送迎ですね。カーシェアリングの車を使った助け合いです。そういうのも、ちらほら始まりはじめたんです。例えば、前回の講師のReraさんでは月2000回ぐらいの送迎を、石巻で展開されているんです。

そのうちの一割だけでも、住民同士でできませんかって、仮設の人たちにチラシを回覧板でまわしていただいて呼びかけたところ、「私、なんかやれることあったらやりたいんです」っていう主婦の方が現れて、カーシェアリングの車を使って、その人が自分の団地の送迎をやり始めたんです。

自分の車でやるよりかは、やっぱりそういうみんなの車でやるほうが、やりやすいんです。僕らは同意書を作ったりとか、ルール作りを一緒にやったりして、取り組みやすくなるような環境を作っていったんです。そんなReraさんからの引き継ぎを少しずつ始めていきました。

そういうふうな感じで、今までバーっと車を出していたんですけども。そこから質を高めるというのをやっていきながら、あと、いろんなカーシェアリングですね。それを実践していっています。今使っている車は、56台です。このプラス18台というのは、前年度から増えた数です。利用者の数が、288人。やっているのが、石巻と女川と一関と気仙沼です。そんな状況です。

やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援、復興起業家育成に関わってきました。大学では、震災復興を考える講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまてめて、公開しています。

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やっさん

東日本大震災の仮設住宅支援や復興起業家育成に10年間携わってきました。現在は震災復興に関する講座やワークショップを実施しています。ここでは、復興ボランティア学講座の記録をまとめて公開しています。

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